
![]() 2008/07/25
かつて葬儀で位牌を手にするのは跡継ぎだった
かつて葬式の決定権は親族の長老にありました。どんな葬儀をするのかについて女性の意向は無視され続けてきました。葬式は「男が決めるもの」だったのです。 「喪主」には最近、本人の妻がなるケースが多いですが、戦前は喪主というのは男の務めでした。葬列の際に、喪主は位牌を手にしたので(現在でも霊柩車で遺体が火葬場に送られる前に遺族が挨拶するとき、位牌を手にしているのは喪主です)、その家に男の子が生まれると「位牌持ちができた」と祝われたものです。喪主はその家の跡継ぎで、男の子が務めるものだとされました。 例えば畳屋を家業とする家で、父親が亡くなったとき、誰が喪主を務めるかというと跡継ぎの男の子でした。長男は医師になり別居し、長女は嫁いで別居し、三番目の次男が家業である畳屋を継ぎ、同居していた場合には、跡継ぎの次男が喪主となったのです。葬儀で位牌を手にするのは跡継ぎであることを社会的に宣言する役割もあったのです。 ですが、戦後に民法が改正されたことにより、法的に「家(イエ)」というものは存在しなくなりました。そこで「喪主=故人に最も近い親族」という理解が拡がり、核家族化する中で配偶者が喪主を務めるケースが増加しました。 喪主が男の務めでは必ずしもなくなったように、葬式をどうするかの決定権も次第に男だけのものではなくなりつつあります。例えば、葬式を自宅ではしなくなったのが近年の傾向ですが、これを促進したのは明らかに女性の意思が働いてのものです。
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