四十九日までに納骨は俗習
友人は葬儀を前に心配して電話をしてきたが、それは「四十九日までには納骨しなければいけない」という俗習がいまだはびこっているせいである。 いつまで納骨しなければいけない、ということは法律的にも、そして宗教的にも定まっていない。法律を言うなら、遺骨を遺族が保管するのは違法ではない。 最近では、夫に先立たれた妻が、「自分が生きている間は自宅に保管し、自分の死後に一緒に納骨してほしい」というケースも少なくない。 よく「あまり長く遺骨を置いておくと死者に執着することになるので、早く納骨したほうがいい」などと説教する人がいるが、余計なことである。遺骨をいつ納骨するかは遺族が自分の感情を考え、自分で判断すればよいことである。 私は友人に言った。「いま、墓のことは考えなくていい。葬式に集中すればいい。墓のことは、遺された夫人と娘さんが、後からゆっくり考えればいいことだ」 子のない人、結婚しない人、離婚した人もいる。子がいても死後をあてにしたくない人もいる。 80年代末から起こった「墓革命」は「跡継ぎ不要」の墓である。永代供養墓(合葬式墓地)、散骨、樹木葬、有期限墓といった流れに共通するのは「跡継ぎ不要」である。 墓に関しては選択肢が拡がっているし、今後さらにこの流れは進むことだろう。 (碑文谷 創)
筆者プロフィール
碑文谷 創(ひもんや・はじめ) ジャーナリスト。1946年岩手県生まれ。東京神学大学大学院修士課程中退。出版社勤務の後、1990年表現文化社(当時・表現社)設立。雑誌『SOGI』編集長を務めるかたわら、死や葬送関係に関する評論ならびに講演活動をテレビ・新聞・雑誌等で展開。 著書は『新・お葬式の作法~遺族になるということ~』(平凡社新書)『死に方を忘れた日本人』(大東出版社)『葬儀概論』(表現文化社)『「お葬式」の学び方』(講談社)ほか。監修『お葬式』『自分らしい葬儀』『冠婚葬祭暮らしの便利事典』(小学館)ほか。共著『仏教再生への道すじ』(勉誠出版)ほか。
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