
![]() 2007/11/02
2つの意味がある無宗教葬
「無宗教葬」は新しいものでも珍しいものでもない。すでに明治34年に死亡した自由民権運動の理論的指導者として知られる中江兆民の葬儀が、当時一般的であった葬列を廃し、無宗教の告別式として行われている。(この中江兆民の葬儀が、戦後の主流となる「告別式」の最初としても記録される。) さらにサンフランシスコ条約を締結し、戦後日本の巨大な政治的リーダーであった吉田茂元首相は、1967年に89歳で死亡したが、その葬儀は戦後では初めての国葬として行われた。この国葬は無宗教で行われた。(この国葬では白い菊の花で祭壇が作られたが、これが「生花祭壇」の最初と言われる。) 中江兆民の葬儀は本人が無宗教であったためであり、吉田茂は臨終時にカトリックの洗礼を受けたが、国葬である以上は憲法の制約上、特定の宗教によらないということのため、と理由は異なっている。 戦後は市区町村や都道府県の主催する公葬は無宗教で行われている。阪神大震災の被災者の公葬は無宗教式で行われた。 これだけ見ても「無宗教葬」には2つの意味がある。 一つは本人の信条から特定の宗教を介さずに無宗教を選択するもの。もう一つは主催者の事情や会葬者のさまざまな信条を考慮して、特定の宗教に偏しないために無宗教葬を選択するもの。この2つがある。
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