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新型インフルエンザ 秋の流行にどう備えるか

Q: ではワクチンを製品化できたらどのように接種することになるのでしょうか。

A: 十分な力価を上げるためには2回実施が標準になるはずです。国民全員に2回実施できる量の生産は間に合わないと言われています。優先順位は厚生労働省が決めることになるでしょう。また国際協力の面からも日本国民のみではなく途上国にも供給する必要もあります。もし高齢者が1回実施で力価が上がるなら、ワクチンの余裕ができて助かると思われますが今のところははっきりしていません。タミフル耐性ウイルスの報告が日本でも出ていますのでワクチンの十分な供給が期待されます。

Q: 今後の流行の見通しはどうなっていますか。

A: 専門家のなかでも意見が分かれており、行政もはっきりした見通しは出していません。ただあまり楽観はしない方がいいことは確かで、高病原性鳥インフルエンザの脅威が去ったわけではありません。それなりの準備はしておくのが賢明です。

 流行は学校が夏休みの時期は比較的落ち着くといわれています。問題は9月中旬以降です。専門家の中には春の流行は予兆にすぎず、9月以降の流行が本物の第一波だという人がいます。地震で云えば春の流行はP波のようなもので、秋に本震が来るというわけです。

Q: 喉元過ぎれば何とやらで、社内でも新型インフルエンザはあまり話題にのぼらなくなっていますが、油断はできませんね。

A: ワクチンが行き渡って、流行がコントロールできるまでは臨戦態勢です。例えば社員が10%出社できなくなったときに、会社機能をどう維持するのかなどのシミュレーションをする必要があります。また春に消費した物資類、すなわち玄関や通用口に置いた消毒液、社員や来客に配ったマスク、洗面所の液体消毒石鹸などは、非流行期は値段が下がっている可能性がありますので購入のチャンスかもしれません。


(鷲崎 誠=東京地下鉄株式会社保健医療センター所長)
筆者プロフィール

鷲崎誠(わしざき・まこと)
医学博士。昭和大学医学部卒業後、虎ノ門病院病棟医・専攻医、順天堂大学呼吸器内科講師、伊勢丹健康管理センター所長を経て、東京地下鉄株式会社保健医療センター所長。虎ノ門病院健康管理センター非常勤嘱託医、21健医総研主任研究員を併任。日本産業衛生学会代議員、日本サルコイドーシス学会理事・幹事、日本呼吸器学会専門医、日本内科学会認定医、日本人間ドック学会認定指定医。著書に「健康診断・人間ドック『気になる』疑問」、「日頃気になる 体のあのこと この症状」などがある。
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