
![]() 2009/07/22
このコラムでは、読者の健康に対する疑問やニュースでも話題になった内容について筆者がやさしくお答えします。いまさら人に聞けない簡単な疑問や、意外と知らない豆知識など。今回のテーマは秋からの新型インフルエンザ対策についてです。 Q: 人事部のインフルエンザ担当の者です。普通は春になるとインフルエンザはほとんど発生しなくなるものと思っていましたが、新型の患者はまだ出ているようですね。 A: 日本では5月の中旬にピークがあり、このまま今季は終わりかと思われていましたが、6月になってから再度増加して、消滅の気配はありません。6月末の累計では、日本では約1200人(死亡者なし)、世界では約7万1000人(死亡者311人)となっています。 Q: 水際作戦は失敗だったということでしょうか A: 失敗だったと断定はできません。空港でのチェックは発病している人、すなわち咳、痰、発熱などの症状がある人を対象とします。まだ発病していない人は、本人の意思に関係なく検疫は通ってしまいます。つまり検疫には限界があるということです。航空機が発達した現代社会では、潜伏期間中に入国されると防ぎようがありません。もし入国手段が船舶しかなければ、入港までに発病しますので殆どの例を入国阻止することが可能のはずです。 Q: 新型インフルエンザは若年者の発病が多いのは免疫がないためと聞きましたが高齢者は安心ということですか。 A: 新型インフルエンザの流行が始まった頃から60歳以上の人はなぜかわずかながら免疫を持っているといわれていました。実際にも流行の主体は若年層となっています。しかし高齢者の免疫の力価は十分なものではなく、必ずしも安心できる程のものではありません。最近の日本での研究調査では、日本人で免疫があるのは90歳以上の人で、それより下の年齢の人はほとんど免疫がなかったということです。 ただ全く新たに感染するのとは異なり、少しの免疫を持っている人が新型インフルエンザに感染すると、ブースター効果といって、生ワクチンで追加免疫をしたのと同じ結果となり、免疫の力価が何十倍にも増加する期待があります。ただわずかに免疫のある高齢者が新型インフルエンザに罹ったら免疫の力価が高くなったという実例の証明はまだないようです。
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