Q: 私の老眼鏡は7~8年前に作ったものですが、老眼鏡が合わなくなることはよくあることなのでしょうか。 A: 老眼の成因から考えると、以前作成した老眼鏡が合わなくなることは十分可能性があります。眼はカメラで言えばレンズに相当する水晶体が膨らんだり薄くなったりしてピントを合わせています。遠くを見るときは水晶体の周辺にある筋肉が収縮して水晶体を薄くしてピント合わせをしています。逆に近くを見るときは水晶体自身の弾力性で水晶体が厚くなってピントが合います。 しかし加齢と共に水晶体の弾力性が失われて、近くを見る際に十分な厚みを得ることができなくなります。そのため遠くはピントが合いますが、近くを見るのに十分な水晶体の厚さが得られず、新聞は手をいっぱい伸ばしても小さい字は読みにくいということになります。そこで眼の外側に凸レンズを置いてピントを合わせる補助をするわけです。水晶体の弾力性は年々低下しますので過去に作った眼鏡で不十分な場合はレンズを取り替える必要があります。 Q: 明るい日差しの下では小さい字も結構読めますが、夕方薄暮の時間になると辛くなるのはなぜですか A: 焦点深度のためです。カメラは明るい環境下では絞りが自動的に効いてカメラに必要以上の光が入らないようになっていますが、眼も同じで眼に入る光の量は瞳孔の開き具合で調節されています。周囲が明るくて瞳孔が狭いときは絞りが効いてピントが合う距離が長くなり、小さい字も読みやすくなるのです。 (鷲崎 誠=東京地下鉄株式会社保健医療センター所長)
筆者プロフィール
鷲崎誠(わしざき・まこと) 医学博士。昭和大学医学部卒業後、虎ノ門病院病棟医・専攻医、順天堂大学呼吸器内科講師、伊勢丹健康管理センター所長を経て、東京地下鉄株式会社保健医療センター所長。虎ノ門病院健康管理センター非常勤嘱託医、21健医総研主任研究員を併任。日本産業衛生学会代議員、日本サルコイドーシス学会理事・幹事、日本呼吸器学会専門医、日本内科学会認定医、日本人間ドック学会認定指定医。著書に「健康診断・人間ドック『気になる』疑問」、「日頃気になる 体のあのこと この症状」などがある。
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