Q: 口腔内洗浄をするチャンスがなかったときに、食後30分もするとネバネバしてきますがあれはいったい何が起きているのでしょうか。 A: むし歯や歯周病の原因は細菌です。代表的なものはミュータス菌といい、食品残さを分解して固い歯を溶かす程の酸性の物質を作ります。肉や魚の蛋白質を分解して腐敗臭の原因も作ります。 細菌は唾液などの殺菌作用を逃れるため、ネバネバした物質を作りその中に身を潜めて生存しようとします。これをバイオフィルムといいます。歯ブラシはその毛先で軽い力でバイオフィルムを壊すことが出来るため、食後の歯磨きが推奨されるわけです。 Q: 我々の年代になるとすでに歯を失ってしまった人もたくさんいます。 A: 今より1本でも失う歯がないように努力すべきでしょう。以前から厚生労働省は80歳で自分の歯を20本残せるよう若い頃から口腔内ケアをすることを推奨しています。 奥歯をしっかり噛みしめることができないと物事に集中できなくなりますし、全力を出すこともできなくなります。義歯になると食事の味も低下します。食事のおいしさは舌による味覚だけでなく、歯ざわり、歯ごたえ、噛み心地も食事をおいしくするのです。抜歯すると歯の根の部分にある歯根膜を失うため、歯で感じる食事のおいしさも失ってしまうのです。どの年代でも先ほど説明した丁寧歯磨きを最低1日1回は実施すべきです。特に就寝前が有効です。 Q: 歯磨きセットの使用法で何か注意点はありますか A: 歯ブラシのブラシの部分を濡れたままにしておくとカビや細菌の温床になります。家ならヘアドライヤーで乾燥させると簡単ですが、職場やかばんに携行している際は、歯ブラシ使用後は乾いたティシュなどで水分を拭き取ってからケースに収納すればある程度は乾燥しやすくなると思われます。 (鷲崎 誠=東京地下鉄株式会社保健医療センター所長)
筆者プロフィール
鷲崎誠(わしざき・まこと) 医学博士。昭和大学医学部卒業後、虎ノ門病院病棟医・専攻医、順天堂大学呼吸器内科講師、伊勢丹健康管理センター所長を経て、東京地下鉄株式会社保健医療センター所長。虎ノ門病院健康管理センター非常勤嘱託医、21健医総研主任研究員を併任。日本産業衛生学会代議員、日本サルコイドーシス学会理事・幹事、日本呼吸器学会専門医、日本内科学会認定医、日本人間ドック学会認定指定医。著書に「健康診断・人間ドック『気になる』疑問」、「日頃気になる 体のあのこと この症状」などがある。
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