ここから本文です

豚用にかけるマスクを開発発明すればノーベル賞もの?

Q: ほかにインフルエンザに感染しやすい生物はあるのでしょうか。

A: 現実問題として一番注目、警戒されているのが豚です。豚は人類に普通に流行している季節型のインフルエンザ、鳥インフルエンザ、高病原性鳥インフルエンザのいずれのウイルスにも感染しやすい動物です。

 例えば普通のインフルエンザと高病原性鳥インフルエンザが同時に豚に感染したとすると、豚の体内でインフルエンザウイルスの遺伝子が混じりあって、ヒトからヒトに簡単に感染するタイプのウイルスが出来上がってしまう可能性があります。

 農家の庭先で豚と鶏やアヒルなどを飼っている、昔の農家の風景はのどかでのんびりした景色ですが、そこに渡り鳥が水を飲みに立ち寄って排泄物を置いていくと厄介です。農家の子供がインフルエンザに罹って熱があるのに外で遊んでいると、養豚中の豚は双方からインフルエンザウイルスをもらって、豚の体内で増殖中に遺伝子の交換が行われて新しいウイルスが誕生する可能性があります。このような現象は40年周期ごとに起きるといわれています。

Q: 新しいウイルスに農家の人が感染してそれが広がっていくということですか

A: 日本では養豚場や養鶏場がかなり清潔に管理されていますが完璧な隔離状態ではありません。狭い場所に身を寄せ合って飼育されているため、いったん感染動物が発生するとたちまちそこの養豚場、養鶏場全域に広がります。

 中国や東南アジアの国々では昔の農家のように人畜が共同生活をしているのが常態のところも多く、インフルエンザの新種が発生しても不思議ではない生活が行われていると思われます。

Q: それで豚に使うマスクを発明すればノーベル賞というわけですか。

A: 豚は咳エチケットなど知りませんので、豚の咳やクシャミの洗礼を受けないようにする必要があります。マスクの発明を期待するのはジョークですが、鶏や豚と接近した生活をするのは細心の注意が必要でしょう。


(鷲崎 誠=東京地下鉄株式会社保健医療センター所長)
筆者プロフィール

鷲崎誠(わしざき・まこと)
医学博士。昭和大学医学部卒業後、虎ノ門病院病棟医・専攻医、順天堂大学呼吸器内科講師、伊勢丹健康管理センター所長を経て、東京地下鉄株式会社保健医療センター所長。虎ノ門病院健康管理センター非常勤嘱託医、21健医総研主任研究員を併任。日本産業衛生学会代議員、日本サルコイドーシス学会理事・幹事、日本呼吸器学会専門医、日本内科学会認定医、日本人間ドック学会認定指定医。著書に「健康診断・人間ドック『気になる』疑問」、「日頃気になる 体のあのこと この症状」などがある。
この記事のバックナンバーを読む
前のページへ 1ページへ 2ページ
「セカンドステージ マガジン」 配信開始
セカンドステージでは,HTMLメール「セカンドステージ マガジン」の配信を始めました。毎週1回水曜日に配信いたします。
サイト上の更新情報やイベント,セミナーの情報をお送りするとともにメールならではの特典,イベントの提供をいたしていく予定です。
メール配信をご希望の方はこちらのページからで配信登録をお願いします。

→バックナンバーはこちら

セカンドステージ メールマガジン
サイトマップを見る
セカンドステージ連載一覧


日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る