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雇い入れ時健診は本当に必要か

Q: 定期健康診断でも産業医が直接診察せず健診業者に任せている場合が多くなりました。流れ作業的な健診で問題ないものなのでしょうか。

A: 法規的には問題ないことになっています。ただ社員と産業医はできるだけ近い位置にあるべきで、自分のこと以外にも親兄弟の健康についても相談できる環境が望まれます。

 産業医は企業内診療所で診療をするのではなく、診療を社外の専門医等にまかせて、健康な社員が病気にならないようにすることにピントを合わせて仕事をしてもらうべきでしょう。そのため健診はできるだけ社内で、しかもゆっくり会話ができる余裕をもった時間をとれる体制が望まれます。

Q: 産業医の職場巡視のルールもあります。

A: 職場巡視は労働環境のチェックが主で、社員からの個人的な相談にのる制度ではありません。産業医は大勢の社員のひとり一人を完全に把握することは不可能です。各職場の衛生管理者にその職場の状況を把握してもらい、緊密な連絡をとれるようにできれば理想的と思われます。

 例えば、風邪が流行りはじめたとか、遅刻が多くなった者がいるとか、ヒヤリハットが増えたとかなどを知らせてもらえると大いに助かります。大流行や大事故を未然に防ぐことができれば、会社の業績も向上するはずです。


(鷲崎 誠=東京地下鉄株式会社保健医療センター所長)
筆者プロフィール

鷲崎誠(わしざき・まこと)
医学博士。昭和大学医学部卒業後、虎ノ門病院病棟医・専攻医、順天堂大学呼吸器内科講師、伊勢丹健康管理センター所長を経て、東京地下鉄株式会社保健医療センター所長。虎ノ門病院健康管理センター非常勤嘱託医、21健医総研主任研究員を併任。日本産業衛生学会代議員、日本サルコイドーシス学会理事・幹事、日本呼吸器学会専門医、日本内科学会認定医、日本人間ドック学会認定指定医。著書に「健康診断・人間ドック『気になる』疑問」、「日頃気になる 体のあのこと この症状」などがある。
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