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ピロリ菌にヨーグルトって本当に効くの?

Q: 何の症状もないのに抗生物質をのむのはなんとなく気がすすみません。

A: たぶんドックの先生は胃癌の要因のひとつでも取り除いておいたほうがいいとの判断で治療をすすめているのだろうと思います。

 ピロリ菌が胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃癌を発生させる原理を、分かりやすく噛み砕いて説明すると、ピロリ菌の内部に存在する蛋白質の一種が、ヒトの胃粘膜細胞に入り込みます。正常な胃粘膜の細胞は前後左右隣同士しっかり接着して、胃の内腔を形作っています。この正常胃粘膜細胞同士を接着させている蛋白質の働きを、胃粘膜に侵入したピロリ菌の蛋白質が働かないようにしてしまうのです。その結果、胃粘膜細胞は剥がれ落ちやすくなり、胃炎や胃潰瘍の発生に進んでいくことになります。さらにピロリ菌の蛋白質は胃粘膜の新陳代謝を狂わせて異常増殖を促進し、癌化を進める結果ももたらすことも分かってきています。ピロリ菌にとってどのような得になることなのかは分かりませんが、ヒトにとってはたいへん迷惑な話というわけです。

Q: 漢方薬とか食事で除菌はできませんか

A: ココアの成分の中にピロリ菌を抑えるものがあり、比較的低濃度でも有効との報告があります。

 また2~3年前からヨーグルトの一種に注目すべきものがあることがわかってきました。乳酸菌の一種のLG21という菌がピロリ菌を殺菌的に作用するというものです。この乳酸菌が入っているヨーグルトは既に発売されています。全ての人のピロリ菌が完全に除菌されるわけではないようですが、菌量がかなり減ることは確かなようです。

 抗生物質による治療は健康保険の適応になっていますが、耐性菌の発生が問題になっていますので、質問の方のように、自覚症状がなく、胃炎も胃十二指腸潰瘍もなく、抗生物質による副作用が気になる場合は、LG21を試してみるのもいいかもしれません。


(鷲崎 誠=東京地下鉄株式会社保健医療センター所長)
筆者プロフィール

鷲崎誠(わしざき・まこと)
医学博士。昭和大学医学部卒業後、虎ノ門病院病棟医・専攻医、順天堂大学呼吸器内科講師、伊勢丹健康管理センター所長を経て、東京地下鉄株式会社保健医療センター所長。虎ノ門病院健康管理センター非常勤嘱託医、21健医総研主任研究員を併任。日本産業衛生学会代議員、日本サルコイドーシス学会理事・幹事、日本呼吸器学会専門医、日本内科学会認定医、日本人間ドック学会認定指定医。著書に「健康診断・人間ドック『気になる』疑問」、「日頃気になる 体のあのこと この症状」などがある。
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