Q: オフィスでも温度・湿度などの職場環境を調べるのでしょうか。 A: 事務所衛生基準規則(通称事務所則)という省令があります。事業者は浮遊粉塵量、一酸化炭素、二酸化炭素、気温、相対湿度、気流、ホルムアルデヒドについては、規定の頻度で規定の測定機器を使って測定しなければなりません。一般には専門業者と契約して測定する場合がほとんどと思われます。ただ部屋の隅々まで完璧なチェックをするわけではありません。 同規則にはこのほかに照明、給水、排水、清掃、トイレ、洗面設備、休憩設備、救急用具などについて規定があり、新築・改築の際の設計には必ず参照する必要があります。 また喫煙室は健康増進法とその関連ガイドラインによる規定がありますが、建物内敷地内全面禁煙のルールにすれば、細かい規定に左右されず簡単です。室温などは地球温暖化抑制のために快適温度とは多少のずれが生じても仕方ないかもしれません。 Q: わが社としては今後どのような方向性でいけばいいでしょうか。 A: 毎月どこを指摘されるか疑心暗鬼になるのはナンセンスです。労働基準監督署が立ち入り検査に来るわけではありません。御社の産業医は専属産業医と思われますので、同じ会社に勤務するいわば同僚と考えられます。 そこで提案ですが、毎年次年度の予算を請求する時期に、次年度には半期ごとに何を重点に改善するかの目標を、安全衛生委員会のメンバーで話し合って、それに必要な予算を請求しておきます。 予算を請求するためには産業医ばかりでなく委員全員が各職場を客観的によく見直して、優先順位をつけるなどの作業が必要になるでしょう。組合側の委員の中に女性委員も加えておくと完璧です。 漠然と巡視をして突発的に指摘事項があるとそれの対処に右往左往してしまいますので、5年先程度までの計画をたてるのが最良です。勿論途中で見直しをして修正することも前向きな運営と思います。 安全衛生委員会は、会議の議事録を残すだけでなく職場巡視の記録も文書にして残し、5年後10年後の後輩たちの参考にしてもらうといいでしょう。万一別件で監督署の立ち入り検査や訪問があったときにも、監督官にその記録をみせると印象をよくすることができます。 (鷲崎 誠=東京地下鉄株式会社保健医療センター所長)
筆者プロフィール
鷲崎誠(わしざき・まこと) 医学博士。昭和大学医学部卒業後、虎ノ門病院病棟医・専攻医、順天堂大学呼吸器内科講師、伊勢丹健康管理センター所長を経て、東京地下鉄株式会社保健医療センター所長。虎ノ門病院健康管理センター非常勤嘱託医、21健医総研主任研究員を併任。日本産業衛生学会代議員、日本サルコイドーシス学会理事・幹事、日本呼吸器学会専門医、日本内科学会認定医、日本人間ドック学会認定指定医。著書に「健康診断・人間ドック『気になる』疑問」、「日頃気になる 体のあのこと この症状」などがある。
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