Q: タンニンには何か用途があるのでしょうか。また、どんな健康効果があるのでしょう。 A: 皮なめしに使うのが大きい用途です。 医薬品としてはタンニン酸アルブミンという下痢止めの薬として使います。多く使うと便秘します。食中毒などで下痢をしている場合は、原因物質や原因病原体を体内に留めてしまいますので、服薬のタイミングに注意が必要です。また他の薬剤と同時に服薬すると、その薬の吸収を阻害することがありますので、専門家の指示に従ってください。 他に消臭剤、塗料、化粧品としても応用されています。 タンニンは蛋白質や金属イオンなどと強く結合しやすい性質があります。広島に原爆が投下されたあと、被爆した人達が暑いなかを市外へ避難していく途中、お茶をふるまった人達が居たそうです。お茶をご馳走になった被爆者はその後白血病になる率が少なかったという話を読んだことがあります。その理由は体内に入ったストロンチウム‐90という放射性物質がお茶のタンニンと結合して体外に排出されたためと解釈されたということでした。ストロンチウム‐90は半減期28.8年、骨に沈着すると長期にわたり放射線を出すため白血病の危険が大きくなることが知られています。ちょっとした親切が多くの人の合併症を救った結果になったと思われます。 Q: 柿は二日酔いにいいとよく聞きますがこれもタンニンの効果でしょうか。 A: アルコールが分解代謝する過程で生じるアセトアルデヒドが頭痛などの二日酔い症状を起こします。東洋人はアセトアルデヒドを分解する酵素が不十分なため、悪酔い、二日酔いが多いといわれています。 タンニンはアルコールそのものとも、アセトアルデヒドとも結合して体外への排出を促しますので、二日酔いには有効です。更にビタミンCも柿100gにつき70mg含有ですから一般的な1日必要量が50mgとすると1個200gの柿なら半分でOKとなります。 ただビタミンCの1日必要量は200mgとすべきという説もあり、風邪をひいた時や喫煙者は更に必要としますので、柿が出回る季節には1個を目安に食べる習慣にするとサプリメントは不要でしょう。 (鷲崎 誠=東京地下鉄株式会社保健医療センター所長)
筆者プロフィール
鷲崎誠(わしざき・まこと) 医学博士。昭和大学医学部卒業後、虎ノ門病院病棟医・専攻医、順天堂大学呼吸器内科講師、伊勢丹健康管理センター所長を経て、東京地下鉄株式会社保健医療センター所長。虎ノ門病院健康管理センター非常勤嘱託医、21健医総研主任研究員を併任。日本産業衛生学会代議員、日本サルコイドーシス学会理事・幹事、日本呼吸器学会専門医、日本内科学会認定医、日本人間ドック学会認定指定医。著書に「健康診断・人間ドック『気になる』疑問」、「日頃気になる 体のあのこと この症状」などがある。
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