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痛みを伴う痔と漢方

 桂枝茯苓丸は比較的体力がある人でときに下腹部痛、肩こり、めまいなどの症状を目標に用いる。瘀血症状によく用いられる薬方で、牡丹皮(ぼたんぴ)、桃仁(とうにん)が血液のうっ滞を除き血塊を解くといわれている。

 桃核承気湯は比較的体力があり、のぼせて便秘がちで頭痛、めまい腰痛などを目標にする。桂枝茯苓丸に似た薬方で、局所の瘀血を取り除き血行を良くする生薬が含まれている。

 大黄牡丹皮湯も桂枝茯苓丸、桃核承気湯に似て駆瘀血作用がある薬方で比較的体力があって下腹部痛がみられ便秘がちな人の痔疾に用いる。下半身の炎症性疾患に用いられることが多い。

 麻杏甘石湯は麻黄湯(まおうとう)に含まれる桂皮の代わりに石膏(せっこう)を加えた薬方である。石膏は体内の熱を冷ます効果があり麻黄(まおう)、杏仁(きょうにん)とともに熱を解き鎮痛効果があり、血行を盛んにし水分の停滞を改善させる。気管支炎、気管支喘息などに用いられるほかに、痔の痛みにも用いる。

 出血する痔核には「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」、「温清飲(うんせいいん)」、「芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」が、胃腸機能が低下したものには「四君子湯(しくんしとう)」、「六君子湯(りっくんしとう)」が用いられる。

 外用薬として一般的に用いられるのが「紫雲膏(しうんこう)」である。薬方に含まれる紫根(しこん)には解毒、解熱、殺菌効果があるといわれている。

 日頃から便秘に気をつけ排便の際には力まないようにし、洗浄式トイレを利用し肛門を清潔にしたい。食生活もアルコールや刺激の多い食事は避け、繊維質の多い食事、適度な水分の摂取を心がけることも大切である。

(天野 宏)
天野 宏 (あまの ひろし)

1971年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。日経メディカル副編集長,日経メディカル開発編集部長などを経て,現在フリーランス医療ジャーナリスト,薬学博士,薬剤師。
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