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天野宏の実用・漢方早わかり
甲状腺機能低下症と漢方

2009/02/19

 気力がわかない、寒がり、便秘がち、疲れやすいなどの症状がでれば不定愁訴で年のせいと片付けがちだが意外な病気が隠れていることがあるから要注意である。

 心配なのが甲状腺機能低下症。甲状腺ホルモンの合成、分泌を行っている甲状腺の働きが低下して起こる。甲状腺ホルモンの血液中の濃度が低下して体内の物質の代謝がうまくいかないようになり動作が緩慢になるなどの症状がでてくる。一般成人にとって頻度の高い病気で加齢ととともに増え大部分が慢性甲状腺炎(橋本病)であるといわれている。西洋医学では甲状腺ホルモンの補充療法が基本である。

 漢方医学では症状が生気の乏しい一般的な陰証、寒証に一致することから、それに応じた薬を選んでいく。良く用いられるのが「真武湯(しんぶとう)」、「人参湯(にんじんとう)」、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」などである。

 真武湯は新陳代謝が低下し、水毒が腸胃に滞留し腹痛、下痢を起こし、さらにめまい、心悸亢進などの症状がみられるものに用いる。腹部が軟弱でガスのために膨満し、疲労倦怠が甚だしく手足が冷えやすく、悪寒があり生気が乏しいものを目標にする。薬方は茯苓(ぶくりょう)、蒼朮(そうじゅつ)、芍薬(しゃくやく)、附子(ぶし)、生姜(しょうきょう)の五つの生薬から構成され、附子、生姜が新陳代謝を盛んにして血行を良くし身体を温める作用がある。蒼朮、茯苓が体液の分布を調整して脾胃に停滞する水毒を改善して下痢、めまい、心悸亢進などを治す。

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