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天野宏の実用・漢方早わかり
顔面痙攣と漢方

2008/04/10

 自分の意志に関係なく片側の瞼がピクピク動き、徐々にその範囲が広がり、顎の下が痙攣するようになる顔面痙攣。なんとも気持ちが悪いものである。

 中高年者によく見られ、精神的な緊張が続くと症状が一層強くなり、睡眠中に起こることもある。末梢性顔面神経麻痺の後遺症として発症することが多く、脳腫瘍、脳動脈瘤によっても起こることもある。

 西洋医学では抗痙攣薬、精神安定薬などが用いられるが効果は不十分なことが多い。このほかにボツリヌス毒素を希釈した薬を瞼輪筋に注射するボトックス治療や手術療法がある。

 漢方では精神的な不安を除くことを考え、証に応じて処方を選んでいく。「抑肝散(よくかんさん)」、「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」、「帰脾湯(きひとう)」、「加味帰脾湯(かみきひとう)」、「桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」、「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」、「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」などが用いられる。

 抑肝散は体力が中程度の人で神経が過敏で興奮して、眠れないなどの症状のほかに、眼瞼、顔面、手足の痙攣などを訴えるときにも用いる。本来は小児のひきつけに用いられたもので、肝気の亢ぶりによる興奮を抑え鎮静させることから、抑肝散と名付けられた。薬方のなかの釣藤鉤(ちょうとうこう)、柴胡(さいこ)、甘草(かんぞう)が肝気の緊張を和らげ、神経の興奮を抑えるといわれている。

 抑肝散加陳皮半夏は抑肝散に陳皮、半夏を加えたものである。抑肝散を用いる状態より、体力が低下した虚証の人を対象とする。腹筋が軟弱で力がなく腹部大動脈の動悸が亢進している人を目標にする。

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