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天野宏の実用・漢方早わかり
顔面神経麻痺と漢方

2008/01/31

 朝、起きたとき突然、顔の半分が麻痺して動かせなくなる。眼を閉じようとしても閉じず、口も麻痺していない側に引っ張られる、耳の後ろに痛みがあるなどの症状に襲われれば顔面神経麻痺が疑われる。顔面神経麻痺は顔の筋肉を司っている神経が障害を受けて発症する。原因はさまざまで脳血管障害などによる中枢性の顔面神経麻痺と末梢性のものに大きく分けられる。最もよくみられるのが末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)である。

 西洋医学では原因疾患の鑑別を行い、原因がわかればその治療を優先する。原因が特定できないものには急性期に短期間、ステロイドホルモンを使うこともある。末梢神経障害の回復を期待して末梢循環改善薬などが用いられる。発症してから暫くして運動療法やマッサージなども行われる。

 漢方では気、血、水の全てが関与して起こると考える。古典には風邪が体に侵入した後、寒邪によって筋肉が緊縮し顔面の頬部が牽引されると記載されており、風邪、寒邪を追い出す薬方を選んでいく。

 よく用いられるのが「葛根湯(かっこんとう)」、「麻黄湯(まおうとう)」、「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などである。

 葛根湯は風邪の薬として有名だが、発熱、悪寒がなくても、とくにうなじと背中にこわばりを感じるときに用いる。桂枝湯(けいしとう)の処方に麻黄(まおう)、葛根(かっこん)を加味したもので、筋肉の過度の緊張を除き、血管を拡張して血行を盛んにする作用がある。ただ、胃腸の弱い人や筋肉が弛緩している人は脱力感、食用減退などを起こすことがあるため注意がいる。

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