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天野宏の実用・漢方早わかり
打撲に効く漢方

2007/05/24

 年齢を重ねてくると足元がおぼつかなくなってくる。若いころはよろけても転ぶことがなかった人も、壁などにぶつかって手足に内出血をおこしたり、ほろ酔い気分で帰宅途中に溝に脚を踏みはずして転んで顔を打撲したという話をよく耳にする。

 打撲は俗に打ち身といわれ、殴打、転倒、衝突などによって起こる皮下組織の損傷である。皮下出血、痛み、皮膚が赤くはれ上がるなどの症状が多くみられる。痛みは打撲の直後より、数時間を経てから強くなってくる。大したことがなければ打撲の部分を冷やすなど家庭で手当てができるが、痛みが激しいときは整形外科、外科を受診し消炎鎮痛薬などによる薬物治療を受ける必要がある。

 漢方では打撲による内出血や腫れを血液がうっ滞しておこる瘀血(おけつ)の一種ととらえ、治療には駆瘀血薬(くおけつやく)を用いる。よく使われるのが「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」「通導散(つうどうさん)」などである。

 桂枝茯苓丸は、駆瘀血薬のなかで繁用される薬方のひとつで、古典には「瘀血ヨリ生スル諸症二活用スヘシ、大黄附子ヲ加ヘテ血 瀝痛及打撲疼痛ヲ治ス」と書かれている。血瀝痛(けつれきつう)とは月経の量が少ないために起こる痛みである。薬方に含まれる「牡丹皮(ぼたんぴ)」と「桃仁(とうにん)」は血液の滞留を散じ血塊を取り除き、「桂皮(けいひ)」がその作用を増強させる。「芍薬(しゃくやく)」も含まれ、うっ血を除き筋肉の緊張を緩和させ痛みを和らげる。

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