
![]() かぜをこじらせた人には「柴胡(さいこ)」を含んだ「小柴胡湯(しょうさいことう)」「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」のほか,「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」などを用いる。 小柴胡湯は,かぜの初期症状が消えても発熱は続き,食欲不振,嘔気などの消化器症状があるときに用いる。柴胡桂枝湯は,小柴胡湯と桂枝湯の合方で熱のあるときに使う。小柴胡湯を用いるときより虚弱な人を対象にする。柴胡桂枝乾姜湯は,柴胡桂枝湯よりさらに虚弱な人で食欲がなく,みぞおちから脇にかけて重い感じがあり,口舌が乾燥するときに用いる。 麻杏甘石湯は,比較的体力がある人で咳きが強く,口渇,自然発汗があり,熱感,ぜい鳴などがみられるときに使う。薬方のなかの「石膏(せっこう)」「麻黄(まおう)」「杏仁(きょうにん)」は血行をよくして水分の停滞を除いてぜい鳴を治す。 麦門冬湯は,体力が中程度か低下した人の激しい咳きに用いる。喉が乾燥し違和感があり,咳きが頻発し声が嗄れ顔が紅潮するときに適している。かぜが治りかけているときには,体力をつける「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」を用いる。 かぜに葛根湯という考えは望ましくなく体質,病期にあった漢方薬を使わないと治療効果がなく,かえってかぜを悪化させるので要注意である。 (天野 宏)
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