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中高年に多いほてり感・煩熱に効く漢方 ~顔や手足に不快な熱感がある方に

 三物黄芩湯は,四肢の煩熱で苦しむときによく使う。体力が中程度か,それ以上の人で手足の熱感を目標に用いる。口渇,不眠,頭痛を伴うことが多い。地黄(じおう),黄芩(おうごん),苦参(くじん)の三つの生薬から構成され,地黄には滋養,強壮,補血,鎮静作用があり血熱を冷ます。黄芩には消炎,健胃の効果が,苦参には解熱,消炎,利尿作用がある。

 八味地黄丸は,疲れやすく,四肢が冷えやすく,尿量減少または多尿で,ときに口渇がある人を対象にする。腰痛,排尿障害があり,老人で特に手足,足のうらにほてりがあるときに用いる。

 白虎加人参湯は,比較的体力のある人で喉の渇き,ほてりがあるときに用いる。この薬方は白虎湯(びゃっことう)に人参を加えたもので,内外の熱が生じ,それにより体液が欠乏し激しい口渇があるときに使う。白虎湯は解熱,鎮痛,止瀉作用があり身熱,悪熱,煩熱などの症状があるときに用いる。処方に含まれる知母(ちも)と石膏(せっこう)が主として熱を取る。

 五苓散は,表に邪熱があり裏に停水があるものに用いる。手足は冷えやすいのに煩熱があり,口渇,舌が渇いている人に使う。薬方のなかの桂枝(けいし)には表熱を去り気の上衝を治す作用がある。小建中湯は体質虚弱で疲労しやすく血色がすぐれず腹痛,動悸,手足のほてり,冷えがある人に用いる。

 桂枝加竜骨牡蠣湯は,体質が虚弱でやせて顔色が悪く神経過敏などが見られる人に使う。一般的に疲れやすく,寝汗をかく人が対象となる。

 温経湯は,比較的,体力が低下した冷え症の人で月経不順,月経困難,手掌のほてり,口唇の乾燥感,肌荒れ,下肢部の冷えがあるときに用いる。古典には「月経不順,子宮出血などがあり,冷え症で下腹に膨満感があったり,下腹がひきつれ掌に煩熱があり口唇が乾燥するときに用いる」といった内容が書いてある。薬方のなかの桂枝(けいし),生姜(しょうきょう),呉茱萸(ごしゅゆ)が新陳代謝を盛んにして寒冷を去ると言われている。

 ほてりは,健康感を損なう日常で不快な症状である。西洋医学に決定的な治療法が無いだけに漢方薬への期待も大きい。

(天野 宏)
天野 宏 (あまの ひろし)

1971年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。日経メディカル副編集長,日経メディカル開発編集部長などを経て,現在フリーランス医療ジャーナリスト,薬学博士,薬剤師。
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