とにかく運動主体の減量作戦をたてる
この大前提は,臍高で腹部CTを行った時,腹腔内脂肪の面積が100cm2 以上あると健康障害のリスクが増大することが証明されたことです。この面積を臍高の腹囲に換算すると男性85cm,女性90cmとなるのです。女性の方が太くても許されるのは皮下脂肪が多いからです。 ところで労働安全衛生規則による定期健康診断では,メタボリックシンドロームに関連した検査項目は血圧,中性脂肪,HDLコレステロール,空腹時血糖の4種が組み込まれています。しかし,大前提の内臓脂肪を反映する腹囲は,法律上は実施項目には入っていません。 今後は,メタボリックシンドロームを意識した健康診断をするとすれば,腹囲測定が必須項目になるかもしれません。筆者の会社は,今年から問診表の中にウエストサイズを聞く質問を設けて,5~10cmの幅で数値を示し,どこに当てはまるかを聞くおおまかな方式で始めています。メジャーで実測すると,健診の流れが渋滞すると予想されるためです。なおほとんどの人が少なめに申告することは想定内です。 もしメタボリックシンドロームの診断基準に合致した場合は,減量作戦をたててもらいます。とにかく非常用の脂肪をたくさん貯め込んでいるのですから,食事制限ではなく,運動を主体にしてもらいます。余分な貯金をおろすという意識でゆっくり時間をかけて減量に励んでもらいます。なんとか1日合計30分以上のウオーキングをする時間を設けましょう。 (鷲崎 誠=東京地下鉄株式会社保健医療センター所長)
筆者プロフィール
鷲崎誠(わしざき・まこと) 医学博士。昭和大学医学部卒業後,虎ノ門病院病棟医・専攻医,順天堂大学呼吸器内科講師,伊勢丹健康管理センター所長を経て,東京地下鉄株式会社保健医療センター所長。虎ノ門病院健康管理センター非常勤嘱託医,21健医総研主任研究員を併任。日本産業衛生学会代議員,日本サルコイドーシス学会理事・幹事,日本呼吸器学会専門医,日本内科学会認定医,日本人間ドック学会認定指定医。著書に「健康診断・人間ドック『気になる』疑問」,「日頃気になる 体のあのこと この症状」などがある。
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