異常を指摘されたら自覚症状がなくても放置しない
日本では,平成17年に結核予防法が改定されました。理由は二つあります。一つは結核の発病が減少していること,もう一つは65歳以上の高齢者や学校,病院,診療所,助産所,介護老人保健施設,社会福祉施設では集団発生が起こること。これらを考慮して,結核健診はこれらの施設に入っている人とそこに従事している人,高校・大学等の入学時,65歳以上の高齢者に重点的に効率的に行うべきという考え方になったのです。 ただ,肺がん健診を兼ねる場合は40歳以上からとされています。まだ労働安全衛生法は改正されていませんので,当面サラリーマンの胸部X線写真撮影は今まで通り毎年1年以内に1回の撮影をすることになります。 健診で胸部X線写真を上手に使う方法は,異常を指摘されたら自覚症状がなくても放置しないことです。呼び出されたらすぐ来て下さい。結核でも肺癌でも,初期には症状がない場合が多いからです。精密検査はCTやMRIなど高度の画像検査機器が発達していますので,確定診断も早くなってきました。 (鷲崎 誠=東京地下鉄株式会社保健医療センター所長)
筆者プロフィール
鷲崎誠(わしざき・まこと) 医学博士。昭和大学医学部卒業後,虎ノ門病院病棟医・専攻医,順天堂大学呼吸器内科講師,伊勢丹健康管理センター所長を経て,東京地下鉄株式会社保健医療センター所長。虎ノ門病院健康管理センター非常勤嘱託医,21健医総研主任研究員を併任。日本産業衛生学会代議員,日本サルコイドーシス学会理事・幹事,日本呼吸器学会専門医,日本内科学会認定医,日本人間ドック学会認定指定医。著書に「健康診断・人間ドック『気になる』疑問」,「日頃気になる 体のあのこと この症状」などがある。
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