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第10回 かぜ・インフルエンザの予防には手洗いが一番

電車のつり革や手すりからも感染するから手洗いが大切

 かぜやインフルエンザに限らずウイルスは自力のみでは増殖できず,必ず他の生物の細胞に侵入してそこで生存し増殖します。ウイルスには種類によって好みの細胞が異なり,インフルエンザウイルスは気道系を好みます。

 インフルエンザ患者の咳や痰の飛沫に便乗したウイルスは,空中遊泳後直接または間接に別の人の気道粘膜に侵入します。この間接経路に「手」が重要な役割を演じます。インフルエンザ患者は咳をする時,手で口をおさえますが,その手で電車のつり革や手すりをはじめいろいろのものに触れます。そこを別の人が触れ,その手で鼻や口のまわりを無意識に触れることで感染が成立するのです。

 病人を離れたインフルエンザウイルスは最短20分,条件が良ければ何時間もヒトの粘膜から離れていても生存しています。そして運良く(?)誰かののどの粘膜にたどり着けたウイルスは即刻粘膜細胞内に侵入しますので,外出帰宅後にうがいをしてもほとんど効果はありません。うがいより手洗いを勧めたいのはこんな理由によるのです。

 こういうわけで正しい手の洗い方を習熟するとインフルエンザばかりでなくかぜのウイルスにも効果があります。以下に示す手の洗い方はアメリカ疾病対策センターが推奨している方法で,これを導入した静岡県のある病院では,それまで病棟からどうしてもなくならなかったMRSAという,抗生物質も効かない恐ろしい細菌が検出されなくなったということです。比較的簡単で幼稚園児でも単身赴任のお父さんでも憶えられますので練習してみて下さい。

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