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明るい糖尿病ライフ
毒トカゲのだ液から 発見された糖尿病新薬<その2>
2009/06/15

 このコラムでは、元シェフで無事に糖尿病歴30年を乗り切っている筆者が、自身の経験と勉強をもとに、糖尿病予備軍やビギナーの方に役立つメッセージをお送りします。糖尿病の人は、床に伏すような病人ではありません。元気に暮らしていける社会人です。このニュアンスの違いをよく理解し、糖尿病の知識を深めてその不安を解消していきましょう。

新薬は膵炎を発症させる可能性

 まだ発売されてもいない新薬の副作用に言及するのはいささか行き過ぎかとは思いますが、前回紹介したGLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬は医師の期待がとても大きいので少し気になるのです。特に膵炎の既往症の人はご注意ください。

 なぜなら、このGLP-1受容体作動薬の発見の糸口になったのは、「毒蛇や毒トカゲに咬まれると、なぜか膵炎になる!」という話をある研究者(米国)が耳にはさんだことにあったのです。

 そして、毒トカゲのだ液からこのGLP-1受容体作動薬にたどり着くわけですが、このところ米国でByetta(バイエッタ)という商品名で知られているGLP-1受容体作動薬を使用している2型糖尿病者に急性膵炎が起こるケースが報告されています。

 70万人に60人の急性膵炎の報告ですが、中には死亡例もあります。もちろん、この薬と膵炎の直接的な証明はなされていませんから、あくまでも推測の段階ですが。

 私の資料ファイルには2001年12月からこのGLP-1関連のものが収集されていますから、かなり以前から気になっていたものなのです。当初から疑問に思っていたのは、この良いとこずくめのような消化管ホルモンのGLP-1が、なぜ腸のL細胞から放出されると1分間ぐらいで80%も末端組織にもある酵素DPP-4によって不活性化されるのだろう?ということです。

 からだを循環できるのは20%弱ですから本当に僅かです。

 からだの働きには意味があるはずですね。GLP-1はフラッシュのように強いインスリンの初期分泌をすればお役ご免で、それ以上存在すれば膵臓を過剰に刺激して炎症を起すのではないか?とは十分に考えられます。

 だから不活性化しにくい毒蛇、毒トカゲのGLP-1類似物がヒトに膵炎を起すという仮説は当初よりありました。

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文・河合 勝幸(かわい かつゆき)

38歳の時、人間ドックにて「2型糖尿病」と診断される。河合さんが主宰する「On-line糖尿病ウォッチャー」(糖尿病についての情報サイト)のHPはこちら。アメリカ糖尿病協会プロフェッショナル・セクション会員、(社)日本糖尿病協会インターネット委員会委員。1940年、川崎生まれ。1965年以来、フランスやスペインでの生活が長い。2型糖尿病と診断された当時、体重は110kgあったが、現在は身長175cm、72kg。元シェフでありフランス料理の名門・東京會舘OB。往年のパリでレーモン・オリヴェ(グラン・ヴェフール)やトポリンスキー(ラペルーズ)に師事して美食学を研鑚。著書に「糖尿病のある人の海外旅行術」(講談社)、「河合勝幸のおいしくてきれいになる地中海スローフードレシピ」(日経BP社)、などがある。現在は九十九里浜に在住。週末は薪を割って石窯でパンを焼き、自家菜園でガーデニングに励むパワフルな“Type2”。

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