ここから本文です
明るい糖尿病ライフ
血糖コントロールのパラドックスか どうする?目標値
2008/10/06

 このコラムでは、元シェフで無事に糖尿病歴30年を乗り切っている筆者が、自身の経験と勉強をもとに、糖尿病予備軍やビギナーの方に役立つメッセージをお送りします。糖尿病の人は、床に伏すような病人ではありません。元気に暮らしていける社会人です。このニュアンスの違いをよく理解し、糖尿病の知識を深めてその不安を解消していきましょう。

血糖値の正常化で大血管疾患を減らせるか

 糖尿病はつまるところ食事の炭水化物を体がうまく取り込めないので、体中にブドウ糖があふれて血管や神経、臓器を傷めてしまう病気です。そうならば薬を使ってでもなるべく正常な血糖値に近づけた方がよさそうですね。

 事実、細小血管の合併症(目、腎臓、神経など)は、血糖コントロールをより正常値に近づければ近づける程発症し難くなります。このことは欧米の大規模なトライアルでも十分に確認されているので、私達は病院でヘモグロビンA1C(エー・ワン・シー)をもっと下げろと言われます。A1Cは過去2カ月の平均血糖値を表わす指標です。

 ところが現実には欧米の糖尿病者の80%は心筋梗塞や脳卒中などの大血管性障害で死んでいるのです。そして従来の糖尿病トライアルでは、どこまで血糖コントロールを正常値に近づければこの大血管性疾患を減らせるかが明らかに出来ませんでした。

 そこでアメリカではACCORD(糖尿病の心血管疾患リスクをコントロールする行動プラン)やVADT(退役軍人の糖尿病トライアル)と呼ばれる大規模な研究で、血糖値をどこまで正常に近づければ糖尿病者を心筋梗塞や脳卒中から守れるかを調べ始めました。ほぼ同時期にオーストラリアやカナダなど20カ国でADVANCE(糖尿病と血管疾患のアクションプラン)というACCORDと同じ規模の研究が始まりました。

 いずれも血糖コントロールを正常値に近づければどの位大血管疾患を減らせるか、を研究します。

 誰だって心血管疾患の高リスクの2型糖尿病者が、厳格に血糖、血圧、悪玉コレステロールを管理すれば良い結果が出るであろうことは想像できますね。

1ページ 2ページへ 3ページへ 次のページへ
文・河合 勝幸(かわい かつゆき)

38歳の時、人間ドックにて「2型糖尿病」と診断される。河合さんが主宰する「On-line糖尿病ウォッチャー」(糖尿病についての情報サイト)のHPはこちら。アメリカ糖尿病協会プロフェッショナル・セクション会員、(社)日本糖尿病協会インターネット委員会委員。1940年、川崎生まれ。1965年以来、フランスやスペインでの生活が長い。2型糖尿病と診断された当時、体重は110kgあったが、現在は身長175cm、72kg。元シェフでありフランス料理の名門・東京會舘OB。往年のパリでレーモン・オリヴェ(グラン・ヴェフール)やトポリンスキー(ラペルーズ)に師事して美食学を研鑚。著書に「糖尿病のある人の海外旅行術」(講談社)、「河合勝幸のおいしくてきれいになる地中海スローフードレシピ」(日経BP社)、などがある。現在は九十九里浜に在住。週末は薪を割って石窯でパンを焼き、自家菜園でガーデニングに励むパワフルな“Type2”。

この記事のバックナンバーを読む
「セカンドステージ マガジン」 配信開始
セカンドステージでは,HTMLメール「セカンドステージ マガジン」の配信を始めました。毎週1回水曜日に配信いたします。
サイト上の更新情報やイベント,セミナーの情報をお送りするとともにメールならではの特典,イベントの提供をいたしていく予定です。
メール配信をご希望の方はこちらのページからで配信登録をお願いします。

→バックナンバーはこちら

セカンドステージ メールマガジン
サイトマップを見る
セカンドステージ連載一覧


日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る