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2006/12/11
建築事務所との誤解と確執が解け,無事の完成を目指してあと一踏ん張りとなったのが,2006年3月末。当初予定では5月末竣工であったが,この春先は例年になく長雨が続いた。それが工期に影響した。何しろ,オールRC造。コンクリート工事には,雨が一番厄介だそうな。空模様とニラメッコしながらの工事段取りの再調整が何度となく繰り返された。 その間にも細部の使用や部材は順次決めていかねばならないわけで,中庭に敷く砂利は玉砂利にするか否か,和室の押入れの襖の色柄はどれにするか,階段の滑り止めはアルミかステンレスか等など……。決定したものから順次手配がかけられ,工程表が書き替えられていった。
階が上がるごとにミキサー車がやってきて,型枠の中にドロドロとした液状のコンクリートを流し入れる。そうやって3階建てのフォルム全体が整ったのが4月初めであった。外装の補修を行ないながら内装工事に入ったが,この段階で外壁の色は「白」と決まっていたものの(陽光に照らされたギリシャの家並みをイメージしたことはいうまでもない),その材料の詳細はまだ未決。一方で内装も,エアコン業者,家具職人,サッシ担当,さらには私の仕事場のみを担当する施工業者や電気工事担当者,システム工事業者など,多い時には20名以上の職人さんが出入りし,それぞれの持場で工事が急ピッチに進められた。 諸々の細かな仕様が確定し,ようやく全体が見えてきたのは,5月末である。天候不順に伴う1ヵ月の遅れはリカバーできなかったが,慌ててやっつけ仕事をしたところでいいものはできないという現場監督の言葉を信頼した。 著者:小原由夫(おばらよしお)
理工系大学卒業後,測定器エンジニア,AV専門誌の編集者を経て現在はオーディオ&ビジュアル評論家。ハードからソフトまでの幅広い知識とそれに基づく評論,解説が支持を得ている。 主な執筆誌は,「Hi-Vi」,「ホームシアター」,「ステレオサウンド」,「管球王国」(以上ステレオサウンド社),「CDジャーナル」(音楽出版社)など。著書に「アナログレコード再挑戦」(径書房)がある。
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