ななめのグリップが手によく馴染んで撮影しやすい
HC1に比べても,さらに重量バランスがよくなったのも印象的だ。HC1の場合,若干,左右のバランスが悪いかな,と感じる部分もあったが,HC3の場合,幅が11ミリ広がっているにもかかわらず,むしろバランスがよくなったように感じるのだ。だから,しばらく持っていても,手首がほとんど疲れない。 軽くなったことが最大の要因だろうが,それ以上に,グリップの形状がよくなったことが関係しているように思えてならない。 このグリップ,写真を見ていただければわかるように,前に向かって約7度,傾いている。この部分が水平のHC1の場合,カメラを構えると,小指側を少し持ち上げるようにしないといけないが,HC3のななめグリップならば,構えただけで手が自然なかたちにおさまる。
一見,何の変哲もない工夫のようではあるが,グリップをななめにすると,ムダなスペースが生まれやすい。設計段階で,技術者同士の激しいせめぎ合いがあったという。また,組み立ても,水平ラインを基準にできないので,かなり難しくなったらしい。このため,ベテラン工員が担当せざるをえなくなったというから,相当なこだわり方だ。 小型・軽量化のために,マニュアル撮影機構が若干犠牲になるなど,HC1よりも機能的に劣る面はある。しかし,その分,気軽に使えるのがありがたい。また,持ちやすいグリップに加え,メカデッキを上開きにして三脚使用中もカセットが出し入れできるようにするなど,使い勝手の面ではだいぶ進化した。 この内容で,実売価格は13万〜15万円強と,HC1登場のときよりも随分安くなった。唯一の難点は,「またすぐに次が出るんじゃの?」と不安になることだろうか。そんな気持ちにさせるほど,HC3の小型化は劇的かつ早かった。ソニーにはこうした製品開発が,やっぱり似合う。 (関戸俊章)
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