ここから本文です
本当にやりたい仕事って何
同僚たちと立ち上げたワイナリー「東夢」<その1>~ワインづくりでふるさとの原風景を守りたい~
2009/02/16

 日本のワイン発祥地といわれる山梨県勝沼町(現甲州市)。100年を超すワインの歴史が、この土地に息づいている。2007年、ここに異色のワイナリーが誕生した。電力会社を定年退職した仲間たちで起こした小さなワイナリー「東夢」だ。まったくの畑違いのぶどう栽培、ワインづくりに挑戦した彼らの軌跡を追ってみよう。

ふるさとの風景の荒廃に心が痛む
東夢を仲間と立ち上げた高野英一さん

 「やあ、道、わかりましたか」と、張りのある明るい声で出迎えてくれたのは株式会社「東夢(とうむ)」の社長、高野英一さん(61歳)。山梨県甲州市勝沼、その一面の葡萄畑の端っこに、真新しい小さな社屋がある。1階は醸造所と倉庫、2階がオフィスだ。

 「今は7人ほどの仲間たちが集まってやっていますが、最初は2人だったんです。遊休農地の開墾から始めました」と高野さんが説明を始める。とにかくはつらつとしている人だ。オフィスにいた仲間たちは、元の会社の同僚たち。なぜか、皆がにこにこしているのは、お互いの気心がよくわかっているからだろう。

 勤務時間はフレキシブル。だから、「あれ、今日は○○さん来ないんだっけ」、「ああ、今日はゴルフ」などという会話が聞こえてくる。時間がある人が出社し、仕事をこなす。一見のんびりしているようにみえるが、やはり起業は起業。彼らがワイン醸造会社を立ち上げるまでには、数々の苦労があった。

 山梨県といえば、ぶどうの生産量日本一。そのほとんどが勝沼とその周辺でつくられている。果物としての食用生産も盛んだが、なんといってもワインに加工する品種の生産が多い。勝沼周辺は日差しがよく当たり、水はけのよい斜面が多く、ぶどう栽培に適している。近年ではヨーロッパでの栽培方法である「垣根式」でぶどうの苗木を植え、より品質の高いワインづくりを目指している。高野さんたちの会社もその中のひとつだ。

荒れた農地を拓いて造った東夢のぶどう畑

1ページ 2ページへ 3ページへ 4ページへ 次のページへ
この記事のバックナンバーを読む
「セカンドステージ マガジン」 配信開始
セカンドステージでは,HTMLメール「セカンドステージ マガジン」の配信を始めました。毎週1回水曜日に配信いたします。
サイト上の更新情報やイベント,セミナーの情報をお送りするとともにメールならではの特典,イベントの提供をいたしていく予定です。
メール配信をご希望の方はこちらのページからで配信登録をお願いします。

→バックナンバーはこちら

セカンドステージ メールマガジン
サイトマップを見る
セカンドステージ連載一覧


日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る