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本当にやりたい仕事って何
金沢文庫のコーヒー党が集まる「珈琲の木」<その2>~“5年目のジンクス”を乗り越えた地域密着型商売~
2008/12/09

 57歳で早期退職し開店したコーヒーの自家焙煎店「珈琲の木」は7年目に入った。横浜市の京浜急行金沢文庫駅近く、黒川一博さん(63歳)の城だ。コーヒー豆を求めに来る人も、1杯110円の試飲コーナーを目当てに来る人も、黒川さんとのおしゃべりをひとしきり楽しんでいく。

 前回は開店までの経緯にふれたが、今回は、どのようにして「地域の人々に愛される小さなお店」になれたのか、そのあたりを紹介しよう。

お客さんと軽口をたたきながらが、また楽しいという黒川さん

4万5千枚のチラシをポスティング

 商店街と住宅街のほぼ中間あたりに、望み通りの手ごろな物件をみつけた黒川さん。開店時には3か月で合計4万5千枚ものチラシをポスティングした。「珈琲の木」は国道16号線の裏通りにあり、国道を挟んですぐのところが京浜急行の金沢文庫駅。国道と鉄道によって遮断されている向こう側からは、お客さんは来ないだろうと、費用対効果を考え、店のある東側一帯だけに絞ってチラシをまいた。

コーヒーは110円で試飲できる。

 「ところが開店してみたら、国道と鉄道で分断されている西側からのお客さんも多かったんです。びっくりしました」と、黒川さんは早くも、予測のつかない客商売の面白さを実感した。

 「珈琲の木」で扱うコーヒー豆の種類は、中学時代からの筋金入りのコーヒー好きである黒川さん自身が選んだものばかり。焙煎度には、最も酸味の強い浅煎り(ライト・ロースト)から、エスプレッソに使われる苦味の強い深煎り(イタリアン・ロースト)まで8段階あるが、両方の味がほどよくバランスのとれたハイ・ローストを基準にしている。

 オープンセールの3日間は500人以上がつめかけ、助っ人が必要なほどの盛況となった。インターネットのブログで話題になったこともあり、開店直後3か月間の客足は目標の2倍を達成した。初年度は設備投資があったので赤字だったが、2年目からは黒字に転換。まずは順調な滑り出しだった。とはいえ、試練はその後に来る。

 「この商売は、水商売的な要素があるのに加えて、季節指数の強い仕事なんです。暑くなる7月から9月まではヒマで、売り上げは平月の半分ほどになります。また、自家焙煎屋というのは5年目にはお客さんが減るというジンクスがあると、先輩に言われてもいました。そしたら、ほんとうにその通りで、5年目は赤字になりました」。


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