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本当にやりたい仕事って何
「庶民の生きた証」を集めた“個人史図書館”<その1>~私財を投じて全国初の施設をオープン~
2008/01/08

 自分の人生を本にして残したい——。そんな思いで書きつづったのが自費出版の個人史。それを集めた図書館が仙台にある。私財を投じて民家をリフォームし、「宮城個人史図書館」をオープンしたのは、せとかつえさん(60歳)。

 散逸しがちな個人史は、名も無き庶民が時代の中で生きた証を後世に残す貴重な記録。仕事の資料として集めた個人史を一般公開したせとさんの、この図書館にかける思いと、せとさん自身の個人史を2回にわたって紹介する。

お爺さんの書いた本がここにあった!
宮城個人史図書館を造ったせとかつえさん

 仙台市太白区。八木山丘陵に広がる閑静な住宅街の一角に「宮城個人史図書館」の看板が掲げられている。中古の民家だが、中はどの部屋も天井までの書棚が作り付けになっていて、床はフローリング。きれいで居心地のいい空間に改装してある。館主のせとかつえさんが私費で作り上げた図書館だ。

 ここに所蔵されている蔵書は自費出版の多い個人史を中心として、現在、約2000冊。「7000冊までは収納できます、木造なので床さえ抜けなければ」と、せとさんは笑う。

 オープンは2006年7月。個人史図書館は珍しいということで、マスコミで報道されると、「私の本も置いて」と100冊以上の個人史が寄贈された。原則として、宮城県で生まれ育ったり、仕事をしたり、何かしら宮城県にゆかりのある人の本を収集することにしている。パンフレットには「県民の生きざまライブラリー」と記載されている。

 「先日も80歳くらいのお婆さんが、亡くなったお爺さんの本がここに収められているので、と親戚一同を引き連れ、いらして下さいました。テレビの報道で書棚が映ったとき、あっ、お爺さんの名前だと気がつかれたらしいのです」。

 公共図書館は自費出版物まで受け容れる余裕はない。また、個人史のほとんどは少部数だから、親戚や知人に寄贈してしまうと、それっきり死蔵・散逸しやすい。このケースのように、親族でさえ、初めて手に取るということもあるのだ。


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