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本当にやりたい仕事って何
老舗靴店の役員からイタリアンのシェフに転身<その2>~料理を通じて「しあわせ」を見つめる~
2007/05/15

 東京の下町・お花茶屋にある一軒家のイタリアンレストラン「フェリーチェ」。小さくて,可愛らしい店を切り盛りするのは黒井潤三さん(57歳)だ。前回は,自分自身の人生をもう一度見直すため,そして家族とともに過ごす人生を取り戻すために,独立を決意した経緯を紹介した。

 靴のバイヤーとして通ったイタリアの味を,手ごろな値段で提供する店を持ったものの,収入は激減。それでも,そこにかけがえのない「しあわせ」を見つけつつある。

妻には何も告げず,ひそかに夢に向かう

老舗靴店の役員からイタリアンのシェフに転身<その2>~料理を通じて「しあわせ」を見つめる~

 老舗靴店の取締役兼バイヤーとして,猛烈ビジネスマンだった黒井さん。しかし,42歳の時,可愛がってくれていた社長の死をきっかけに会社を退職する。「家族を省みる余裕がなかったこと。そして,早く出世してしまい目標を見失ってしまったこと。この2つが,しあわせの本質を考えるきっかけになったのだと思います」と黒井さんは振り返る。

 イタリア滞在中に本場のシェフから習ったレシピを基に,料理の修業しつつ,自宅を改装して店を持つという夢を,次第に本気で考えるようになった。しかし,妻の香代子さんには一言の相談もしなかった。控えめで穏やかな雰囲気の香代子さんは,夫の退職を知らされ,「これからどうするの? 子供たちもまだ小さいのに」と絶句したという。

 黒井さんは妻にレストラン開店の夢を一切告げぬまま,退職後の9年間,靴問屋と契約を結び,フリーで靴のバイヤーをすることにしたのである。「妻を安心させるため,子供の学費を含めて,ある程度の収入を得るためでしたが,思い通りの店を持つための準備期間でもあったんです」。

 黒井さんの計画は,妻も家族も知らぬ間に着々と進んでいたのである。

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