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本当にやりたい仕事って何
したたかなエコロジストの飽くなき挑戦<その1> ~教員から初乗り500円タクシー会社の起業家に~
2006/09/18

 何をするにしても,ライフワークとなる明快な目的があれば強い。そんなことを痛感させられるのが,東京・江東区で「エコタクシー」を起業した中村秀樹さん(55 歳)の生き方だ。

 管理教育に抵抗して,小学校教員を免職され,市民運動家として活躍し,ドキュメンタリー映画を撮って,タクシー会社を設立――。波乱の人生を貫く太い柱はエコロジー。

 危機的な状況の地球環境を改善するため,一人の人間に何ができるか。すべてはそこから始まっているので,「ブレない」,「迷わない」。したたかなエコロジストの挑戦は人生後半にして,まだ途上にある。

「エコは安い」という逆転の発想へ

 東京の街角を「エコタクシー」が走る。ハイブリッド車プリウスのボディには「減らそうCO2 増やそう熱帯雨林 厚くしようオゾン層」のメッセージ。しかも驚くのは,初乗り500円という低料金。環境にやさしい商品やサービスは財布にきびしい。そんな通念を打ち破る快挙だ。これなら,探してでもエコタクシーに乗りたくなる。

中村さん

 「そこが肝心なんですよ」と,中村秀樹エコシステム社長は話す。「エコロジーは立派だけどおカネがかかる。これが,ついこの間までの常識。でも,それは逆転させなければいけない。エコロジーは安上がりで,なおかつ環境に負荷もかからない。こんないいことはないんだから,みんなでやろうよ,という形にしていかないと」。だから,とにかく初乗り500円でやりたかったのだ。

 中村さんがエコタクシーを開業したのは2004年。その前年に実施された規制緩和でタクシー業界に新規参入しやすくなったことと,中村さんがかかわってきたエコロジー運動の戦略が一致した。

 「地球環境を壊す原因は大きく分けて3つあります。第一に生活。この面ではゴミの減量や分別収集,リサイクルなどの取り組みが始まっています。第二に生産。工場の規制は,すでにかなり強化されています。残っているのは第三の流通。つまり車に代表される輸送手段による環境負荷を減らす対策は,まだこれから。ならばこれを機会にタクシー業界に参入して,この問題を訴えよう,と」。

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