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本当にやりたい仕事って何
昆虫少年が見続けた夢<その2> ~「虫の詩人の館 ファーブル昆虫館」を開館~
2006/09/12

 前回は,アンリ・ファーブル会理事長・奥本大三郎(62歳)さんが始めた「ファーブル検定」などの活動をレポートした。自然を愛し,本来の自然を取り戻すためのフィールドワークも,森や里山を再生する活動として,アンリ・ファーブル会で取り組むようになった。しかし,昆虫少年の夢は,まだ続く。

多くの人々の支援で開館した昆虫館

奥本さん

 無類の虫好きで有名な奥本さんだが,本職は埼玉大学の教授だ。大学ではフランス文学を教え,ランボーやボードレールの研究を専門としている。「子供の頃は,将来,農学部にいって,昆虫学をやりたいと思っていました」。

 しかし,本職ともなれば,単に虫が好きでは許されない。農学部でやることは,昆虫を材料にした生理学や遺伝学の研究,それから害虫駆除。珍しいものを捕ったり,探検したりなどという,楽しくて夢のある博物学研究に,お金を出す人はいない。実際,教師になって痛感することは,予算がもらえるのは,すぐに結果の出る実用研究だということ。こんな学問のあり方にも,奥本さんは腹立たしい思いがしている。

 結局,「虫は趣味でやるのが楽しいと気づきました」。奥本さんは,昆虫学者にはならずに,昆虫採集が趣味のフランス文学者となった。しかし,昆虫に対する熱い思いは冷めることなく,その後,仲間たちと作り上げた昆虫館に結実することになる。

昆虫館の仲間たち

 奥本さんが東京・文京区千駄木の自宅敷地に「虫の詩人の館 ファーブル昆虫館」を開館したのは,今年3月のこと。子供の頃から,昆虫標本を作り続けてきた奥本さんが,「こんな場所があればいいなあ」と夢見ていたものを,虫好きの仲間やファーブルの生き方に共鳴する人たちの支援を得て実現させたのである。

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