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本当にやりたい仕事って何
手作りに賭けた情熱<その2> ~インターネットの活用で世界中から受注~
2006/07/24

 前回は,リタイアした技術者を活用するパイロット万年筆の社内ベンチャー・中屋万年筆設立のいきさつについて触れた。手作り万年筆の技をなくしたくないという中田俊也さん(45歳)の思いは実現した。今回は,その手作り万年筆がどのように受け入れられ,伝統工芸とどのように関わっているか,その現在について報告しよう。

手作りの工芸品は,一生ものの筆記用具

 万年筆というと,どうしても金ペンという言葉が思い浮かぶ。しかし,ペン先は14金や18金だけでできているわけではない。実は,イリジウムという非常に堅い金属をペンの先に付けているのだ。イリジウムのついたペン先を研磨して,滑るような書き味を作るのである。これは,どのような万年筆でも共通のことだ。

中田さん

 では,どうして,ペンの本体は14金や18金が使われているのだろう。その解答は,万年筆で使うインクにあった。インクは,酸性だから,鉄や銅のような素材では,使っているうちにすぐ錆びてしまう。そのため,酸性のインクによって万年筆のペン先が錆びないように,金を使っているのだ。安価な工場製品の万年筆のペン先は,ステンレスの金メッキでできているという。

 「手作り万年筆の柔らかい書き味は,軸受けと金ペン,そしてペン先の調整によって決まります。このバランスが非常に難しいのです。そして,万年筆は使い込めば使い込むほど,その人の書きやすい形状になっていきます。そうすれば,愛着もでてきますし,一生使える道具となるのです」と,デザイナーでペン先の調整を担当する吉田さんは説明してくれた。

 金ペンで錆びることのない万年筆は,いつまでも使用に耐え,その人と人生を共にする愛着の一品となるのだ。

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