人に恵まれ,立地にも恵まれた
同僚や知人,乗馬で知り合った人たちの協力もありがたかった。「乗馬クラブは馬が第一です。だから,いい馬を譲り受けたい。私が乗馬クラブを始めるというと,乗馬仲間がすぐに協力してくれました。おかげでリタイアした競走馬ながら,資質のいい馬を4頭も手に入れることができたんです」。
「それから馬場には大量の砂が必要なのですが,砂は買うと意外と高い。でもここでは,クラブの近くにある高滝ダムに堆積した砂を,無料でもらってきています。人に恵まれ,いい立地にも恵まれ,幸運だったと思いますね」。 長谷川さんは独立支援制度の1年間で準備を整え,予定通り,会社を退職。2001年2月に乗馬クラブ「長谷川ライディングファーム」をスタートさせた。事業は意外なほどにスムーズに軌道に乗った。 初年度は赤字だったものの,2期目は単年度黒字,4期目には約600万円の利益を出すことができた。そして,5年目の春,借りていた土地を返上し,新たに土地を購入,新しい厩舎とクラブハウスも建てることになるのである。 長谷川さんは,なぜ,順調に起業できたのだろうか。また,起業はしても,順調に軌道に乗せることがむずかしいのが定年後の事業経営。次回は,その秘訣をご紹介したい。
◆長谷川ライディングファーム
http://www.hrf.co.jp/ (本多美也子=フリーライター)
筆者プロフィール
本多美也子(ほんだ・みやこ) 就職情報誌では150を超えるさまざまな職業の人にインタビュー。大人向け旅行誌では中高年向けの癒される穴場や温泉記事を数多く執筆。シニアガイドと共にお寺や和文化をめぐる仕事も多く,地方の伝統産業,特産品について詳しい。
プロデューサ紹介
松本すみ子(まつもと・すみこ) 早稲田大学第一文学部東洋史学科卒業。 IT業界で20数年,広報,販促,マーケティングを担当。職場での心のケアに関心が向き,産業カウンセラー資格を取得。これを機に,シニア世代の動向に注目。シニアライフアドバイザー資格を取得し,2000年,団塊/シニア世代の動向研究とライフスタイル提案,コンサルティング,執筆などを主要な事業とする有限会社アリアを設立。 2002年9月,シニア世代の仲間づくり・活躍の場づくりの会「おとなのオピニオンコミュニティRyoma21」を主宰。 2004年,NPO法人おとなの暮らしと仕事研究所となる。日経BP社の情報サイトnikkeibp.jpにて「団塊消費動向研究所」を連載中。 著書に,「自分分析!つまらない毎日なら『好きな』ことで独立しよう」,「心理系の仕事を見つける本」などがある。
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