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充実生活見つけた
アフリカ奥地での得難い異文化体験<その2> ~ザンビアの将来に役立つ基礎技術訓練コースを開発~
2006/05/29

 アフリカ南部にあるザンビア共和国。銅の産出国として知られ,日本へも輸出している。茨城県水戸市の梅沢貞夫さん(61歳)は,総合電機メーカーの研究所を早期退職し,JICAのシニア海外ボランティアとして2年間,ザンビアへ赴任した。要請は「機械工学に関連した職業訓練コースの開発指導」。

 前回は,商工業専門学校に配属され,手始めにザンビアの企業視察に回るところまでを紹介した。そこで梅沢さんは予想もしていなかった事態に直面する。

工業化を進める将来に役立つ技術を

 ザンビアは銅の生産に依存するモノカルチャー経済の国。1991年以来,それまでの社会主義政策から自由主義経済へ移行し,数多くの国営企業が民営化された。だが,ほとんどの企業は外国との価格競争に敗れ,機械製品や電機製品は輸入に頼っている。

 街を走る自動車は,ほとんど日本の中古車。機械工業といえば自動車修理くらいで,商工業専門学校のカウンターパート(担当の同僚)が梅沢さんを案内した企業も,食品加工や繊維縫製といった業種ばかりだった。

 要するに「製造業」そのものがまだ育っていないのだ。出だしからして梅沢さんは「さて,どうしたものか…」と思案せざるを得なくなった。

 「産業界のニーズと,学校のポテンシャル,そして私自身の持つノウハウの三つがちょうど重なり合う部分で何かをやろうと考えたのですが,なにしろ自前の機械工業も電機工業もない状況では,なかなか見つからない。でも,どこへ行っても,ゆくゆくは国産技術で工業化したい,と皆さんおっしゃる。じゃあ,それを支援できるような訓練コースを開発してはどうかと」。

オフィスでの梅沢さん

 梅沢さんが提案したのはコンピュータによる設計支援システム。製品の性能や信頼性を高めるために,コンピュータを使って解析シミュレーションをする技術訓練コースの開発だ。今すぐには役立たないが,将来ザンビアが工業化を進める際に役立つ基礎技術を持ったエンジニアを育てることができる。梅沢さんの提案をカウンターパートは喜んで受け入れた。

 こうして,カリキュラムの設計,ソフトウェアの開発,テキストの作成と作業は進んでいった。産業界の現状を目の当たりにしたときは面食らったが,自分なりの視点でゼロから提案することができたので,やりがいも大きい。

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