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本当にやりたい仕事って何
営業マンから,たこ焼き屋のオヤジに転身<その2> ~本当の“スローライフ”を求めて~
2006/03/07

 大手コンピュータメーカーの営業マンの職に見切りをつけて,飲食業に飛び込んだ前田豊作さん(54歳)。「たこ焼き亭とよさん」を立ち上げ,現在は地域の食堂として定着している。

 しかし,所詮は素人商売。軌道に乗せるまでには苦労の連続だった。今回は,その苦労をどのように乗り越えてきたか,そして“とよさん”は,次に何を目指しているかを聞いてみた。

中華丼専門店の構想

 前田さんには退職後,半年の助走期間があった。なにしろ,何かを準備して辞めたわけではない。「漠然と飲食業を…と考えてはいましたが,準備はすべて退職してからでした」。

 これは,相当な冒険である。しかし,不思議なことに,家族からの反対はなかった。毎日2時間以上をかけて会社に出かける前田さんの後姿が,決して楽しそうではないことを,家族はみんな分かっていたからだ。結婚が早かった分,すでに「住宅ローン」と「子育て」は終わっていた。そうあせらなくても…という思いもあった。

前田豊作さん

 とはいえ,のんびりとしてもいられない。飲食店を始めるからには店舗が大事。まずは,不動産屋めぐりから始まった。自宅の近隣でまわった不動産屋は60軒を超える。店の場所は自宅から通える鶴ヶ峰周辺と決めていたこともあり,なかなかいい物件が出ない。焦りを感じていたときに,運良く,人通りも多く立地条件のいい現在の物件と出会ったのである。なにより,販売と調理スペースが通りに面していることが魅力だった。


 実は,前田さんの最初のプランは,たこ焼き屋ではなかった。かつて中華料理のシェフだった経験から,牛丼やカレーに続く食べ物として,中華丼が有望ではないかと考えていた。うまくいって,“中華丼専門店”のチェーン展開でもできれば面白い。

 しかし,絶対に中華丼がブレークするという確信はない。ネットなどでいろいろリサーチした結果,危険を避けるために,とりあえず,たこ焼き屋のフランチャイズに参加することにした。その看板を掲げ,確実な収入を確保しつつ,オリジナルメニューをプラスしていく手法を取ることにしたのである。

 通常,フランチャイズの規制は結構厳しい。幸いなことに,前田さんが選択した会社はオーナーが比較的自由に運営することを許していた。表に面した調理スペースではたこ焼きを焼いてテイクアウトに対応し,うまそうな匂いで客を誘う。そして,店内では腕に覚えのある中華のメニューも提供し,夜などはゆっくり飲みながら食べる客にも対応する。

 だんだんとプランは形になっていった。準備は大車輪で展開し,猛烈に働く毎日が始まった。素人が一から始めるビジネスだ。それは覚悟していた。

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