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本当にやりたい仕事って何
人事の経験を生かしキャリア・カウンセラーに<その2>
2005/10/11

 第二の人生を趣味で楽しもうと自主退職したものの,仕事こそ生きがいだと気づき方向転換した梅津惇男(あつお)さん。前回は,キャリア・カウンセラーとして活躍の場を見い出すまでを紹介した。

 ハローワーク春日部の早期就職支援センターで「早期再就職専任支援員」を勤める梅津さんのもとには,さまざまな中高年の相談者がやってくる。そこにはどんなドラマがあるのだろうか。そして,梅津さんは彼らをどのようにサポートしているのだろうか。

体力に自信あり,62歳で「自転車便」に再就職

 梅津さん自身,57歳での再就職にあたっては,外資の人事で采配をふるったキャリア上の「売り」がものをいった。優秀な人材を採用するノウハウを求めていた外資との合弁企業のニーズに合致したのだ。中高年の再就職では,自分の最大の「売り」を見極め,それにふさわしい仕事を探すことが,年齢のハンデを乗り越える手だてとなる。

梅津惇男さん  「57歳で,あとはもう好き勝手にやるぞ,と自主退職しました。ところが,辞めてみたら,自分のやりたいことをやっていいはずなのに,ぜんぜんその気にならないんです。ロングステイ財団から資料を取り寄せ,会員になっても,いまいち気分が乗らない。なぜかなあ,困ったなあと,自分で自分の気持ちを持て余していました」。

 62歳のAさんは,タクシーや銀行の業務用車など,運転手歴が長い。真っ黒に日焼けした顔で,梅津さんの前に現れた。毎週,趣味のテニスを欠かさない,体力には自信がある,という。

 「それを生かせるといいですね,と話をしました。それまでは,少しでも給料の高い仕事ということで探していたため,応募しては不採用の憂き目にあっていたようです。でも,退職後に働いて厚生年金の加入者になると,賃金に応じて年金を減額される在職老齢年金制度」により,年金は減額されます。それなら自分の時間を有効に使って,できることをしたらどうですかとアドバイスしたんです」。

 しばらくして,Aさんが希望してきたのは“自転車便”の仕事だった。心配になった梅津さんは,その場で募集先の会社に電話をしてみた。62歳という年齢を聞いて,さすがに先方も「大丈夫ですか,うちはバイク便じゃなくて自転車便ですよ」と念を押した。

 梅津さんは,その仕事はAさんが自分なりに考えて選んだ仕事だということを知っている。そこで,こう答えた。「いや,この方は,体力には自信があって,今でもずっとテニスをやっています。お給料は御社の基準でけっこうですと言ってますから」。翌日,Aさんは面接に行った。すると,その場で採用決定。次の日からさっそく,仕事を始めたのである。

 「Aさんは就労意欲が旺盛でした。意欲が肝心です。職務経歴書の書き方や面接の受け方はテクニックですから練習すればいいのですが,こればかりは,本人がやる気にならなければどうしようもありません」。

 雇用保険は最長330日受給できる。その300日をのんびり過ごして,最後の30日で仕事を探そうなどと思っている人には,再就職は難しい。いざ求職活動を始めた時には,意欲がしぼんでしまっているからだ。そして,年齢ではじかれ,面接ではじかれ,ますます気持ちが萎えてしまう。就職したいと思った日が吉日,その意欲がホットなうち早め早めの求職活動こそ道を開く,というわけだ。

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