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本当にやりたい仕事って何
人事の経験を生かしキャリア・カウンセラーに<その1>
2005/10/04

 自由に使える時間がたっぷりある定年後は,あんなことも,こんなことも…と,夢は膨らむ。でも,いざそうになってみると,なぜか心が弾まない。やはり自分は仕事をしていたかったのだ。そう気づく人は少なくないだろう。

 今回紹介する梅津惇男(あつお)さん(63歳)も,その1人。そうと分かったら,迷わず方向転換。今では,人事で采配をふるった経験を生かし,キャリア・カウンセラーとして活躍する日々を送っている。

悠々自適の生活は楽しくなかった

 大学のESSで鍛えた語学力を武器に,主に外資系企業の人事畑でキャリアを積んできた梅津さん。定年後は悠々自適な生活を送ることを夢見ていた。まずは,夫婦で海外にロングステイ。ロングステイ先を拠点にして,あちこちの旅に出る。趣味の大道芸「南京玉すだれ」で人の輪を広げる。奥様は得意の書道を教える。そんな人生が理想だった。

梅津惇男さん 「57歳で,あとはもう好き勝手にやるぞ,と自主退職しました。ところが,辞めてみたら,自分のやりたいことをやっていいはずなのに,ぜんぜんその気にならないんです。ロングステイ財団から資料を取り寄せ,会員になっても,いまいち気分が乗らない。なぜかなあ,困ったなあと,自分で自分の気持ちを持て余していました」。

 自宅で悶々とする日々が続く。1日中家にいて,奥さんを当てにして過ごすだけ。今にして思えば,いつのまにか,俗に言う「濡れ落ち葉」の状態に陥っていたのかもしれないと梅津さんは振り返る。

 「目標があるようでなくなってしまったんですね。結局,自分には仕事こそが生きがいだったんだということが分かりました。自分から仕事を取ったらダメになる。そのことに,会社を辞めて初めて気づいたんです。それで,方向転換して再就職することにしました」。

 早速,人材紹介会社に登録した。しかし,年齢のハンデは,いかんともしがたい。仕事はなかなか見つからなかった。

 とはいえ,実力勝負の外資で,採用からリストラまで人事の陣頭指揮をとってきた梅津さんには,ハンデを跳ね返すだけの「売り」があった。設立から日が浅く,優秀な人材を獲得するための即戦力となる人事担当者を必要としていたITコンサルティング企業が,梅津さんのキャリアを必要としていたのだ。こうして,再就職が決まった。

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