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本当にやりたい仕事って何
大企業をスピンアウト 45歳の独立物語<その2>
2005/09/13

 大企業を退職して独立するとなると,それなりの勝算を立て,準備にも十分時間をかけて臨むべきだと考えるのが普通だ。しかし,杉本祥郎さん(55歳)の場合は,「たとえ失敗しても自分一人くらいどうにでもなる」と,背水の陣のような気負いは持たなかった。

 ただ,一つだけ目標を立てた。サラリーマン時代よりも2割増しの収入を得ること。それだけが密かに自分に課した宿題だった。

新たな人脈づくりとリタイア世代の人材活用

 杉本さんの会社シナジックの事務所は東京都内と豊田市の2カ所にある。豊田支店は,トヨタ自動車とその関連会社を主要な対象とした事業。トヨタ時代の人脈が生きている。しかし,東京本社の会員企業は,会社を設立してからお付き合いを始めた企業がほとんどだ。

 「会社運営を円滑に進めるためには人脈が大事といわれますが,私の場合,それぞれの企業において,当社の事業と関わりのある部署の部長や課長などのポストを対象とした人脈作りに力を入れました。個人的な知己だけだと,その人が該当するポストからはずれてしまったり,定年などで退職してしまうと,そこで会社間の関係も切れてしまうことになります。ポストを対象にすれば,異動で新しい人が就任しても,その方を窓口にビジネスマッチングの交渉をしたり,勉強会への勧誘もできるからです」。

 人脈といえば,杉本さんの人材活用法も,なかなか巧みだ。大企業の定年退職者を採用し,その人脈やスキルを最大限に活用する方法を採っている。それなりの役職にいた大企業の経験者の体験や人脈は,そう簡単に得られるものではない。その力と,本人たちのまだまだ働きたい,能力を生かしたいという意欲を活用しているのだ。

杉本祥郎さん

 「社員は全員大企業に在籍していた方々が主で,私よりも年上です。取締役だった人もいます。給料も,年金との相殺分がありますので,それほどお支払いしているわけではありません。しかし,それでも,サラリーマン時代に培ったキャリアや知識,人脈を生かして,社会の役に立つ仕事ができることにやりがいを感じて働いてくれています。仕事をすることが,自分の価値の再認識につながっているわけです。当社にとっても,大変ありがたい戦力となっています」。

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