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本当にやりたい仕事って何
大企業をスピンアウト 45歳の独立物語<その1>
2005/09/06

 杉本祥郎さん(55歳)は,いまからちょうど10年前の45歳のとき,トヨタ自動車を自主退職して会社を設立した。当時は,経団連会長職にあった豊田章一郎会長の秘書という要職にあり,まだ,高校生と中学生の子供もいた。仕事は順調,家計的にもこれから負担が増すであろう大変な時期に,あえて独立に踏み切った理由は何なのだろうか。そして,家族や周囲はどう反応したのだろうか。

人生の半ばで巡り会ったビジネスのヒント

 杉本さんが代表を務めるシナジックは,大企業とベンチャーマインド企業とのマッチング支援を主要事業としている。ベンチャーマインド企業とは,ひとつには,いわゆるベンチャー企業のこと。もうひとつは,会社の歴史などから見てベンチャーの範疇には入れられないものの,2代目,3代目として後を継いだ経営者が,積極的に新機軸を打ち出そうとしている企業を指す。

 シナジックの事業の柱は大きく4つある。(1)新規事業の開拓・推進や経営の改善と効率化を目指す大企業と,大手にない優れた技術,ザービス,製品を持つベンチャーマインド企業とのアライアンス(提携)を実現する「ビジネスリエゾン事業」,(2)大企業で将来を嘱望されている30代社員を対象に実践的経営研修を行う「大企業社員研修事業」,(3)主として大企業の人材をベンチャーマインド企業に斡旋する「人材紹介事業」,(4)経済社会の動向についてセミナーを核とした「経済社会研究会」である。

 独立を思い立ったきっかけを,杉本さんはこう話す。「豊田章一郎会長の秘書時代に,アメリカ西海岸から,大企業とベンチャーの提携支援を行っているという人物が売り込みにやってきたことがありました。当時,国内では異業種交流のようなものはあちこちで実施されていましたが,この米国企業のような形で直接的にアライアンスを行う例は聞いたことがありませんでした。大企業はどこも新しい飯のタネを探すのに躍起になっている時期でもあるし,これは日本でもビジネスとして成立するのではないか。ぜひとも自分でその事業を手がけてみたいと考えたんです」。

杉本祥郎さん

 45歳という年齢を考え,これからは今までと違う仕事をしてもいいのではないかと思い始めていた時期でもあった。

 「人生の半ばを迎えると,会社内における自分の位置づけもほぼ固まってきて,来し方行く末を考えるようになりますよね。私自身,特に,いずれは独立という思いがあったわけではありません。ただ,一つの会社,一つの仕事で仕事人生を全うすべしという考えは持っていませんでした。たまたま45歳で,自分が残り半分の仕事人生を賭けてもいいかなと思えるビジネスのヒントが得られたので,体力のある今のうちに始めた方がいいと,踏ん切りをつけたのです」。

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