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本当にやりたい仕事って何
シニア世代の力をNPOに結集,講師派遣で大成功<その2>
2005/08/02

 前回は,中高年の経験や特技を活用する「NPO法人シニア大楽」の取り組みについて紹介した。仕事以外の“第2の顔”を持ち,ある人は週末起業,ある人は副業として,またある人は趣味を高めることを目的に,450名もの会員が集うNPOだ。

 今回は,その運営に関わると共に,引っ張りだこの人気講師として活躍するメンバーを紹介する。会社在籍中から習い始め,いまやセミプロ級にまで腕を高めた“第2の顔”とは,なんと,落語家である。

定年を機会にはじめた自己表現「ヒライ信」
シニア世代の力をNPOに結集,講師派遣で大成功<その2>

 日立製作所で総務畑を歩み,管理職研修や接遇訓練,新入社員研修などを担当する人事畑も経験したという平井幸雄(ひらいたかお)さん。研修担当者といえば,常に人前で話をしなくてはならない仕事だが,若い頃の平井さんは話すことが好きではなかったという。「小学校のときは,先生に指されただけで真っ赤になってしまうぐらいの恥ずかしがり屋(笑)。ずっとそうでしたよ。でも会社に入って,このままじゃいけないということで,会社の落研に入ったのが始まりでした」。

 その活動は転勤などでいったん途絶えたが,退職間際に再開。再開後はブランクを取り返すかのように,プロの落語家から指南を受けるなど,本格的に噺の世界にのめり込んでいった。今では古典落語のレパートリーが12もあるほど。芸名は師匠である三遊亭圓王にちなんで三遊亭圓熟。芸名どおりの熱心さだった。

 これが平井さんを豊かな定年後へと導いていくきっかけとなった。平井さんにとって落語は,単にしゃべり嫌いを克服する手段というだけではなく,「笑い」を学ぶものでもあった。しゃべりベタではあっても,実は,笑いが大好き。ジョークを考えたり,人に聞かせるのも好きだった。

 そこで,自作したり,本を見たりして考えたジョークやクイズ,言葉遊びに,近況報告を加え,A4サイズ1枚のレターにまとめた。それを「ヒライ信」と名づけて,毎月,友人たちに配ることを思いついた。平井さんは笑いを味わい,インプットするだけでなく,アウトプットすることにも興味があったのだ。発行を開始したのは55歳。早期退職で会社を辞める,4年前のことだった。

シニア世代の力をNPOに結集,講師派遣で大成功<その2>

 平井さんはイラストも得意だ。「ヒライ信」に掲載している似顔絵は,もちろん自分で描いたもの。デザインも素人とは思えない出来栄えである。友人,知人に向けたこのレターは大好評で,「おもしろいから,ぜひ次も」という要望が寄せられる。その言葉に気をよくして,今では70号を超している。

 そんなある日,その読者の一人から,思いがけぬ情報が舞い込んだのである。「私たちが設立するNPOに参加しませんか?」。

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