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本当にやりたい仕事って何
シニア世代の力をNPOに結集、講師派遣で大成功<その1>
2005/07/27

 退職後は好きなことを生かして,何かしたい。そう願う人は多いだろう。しかし,一人ではなかなか難しい。そんな人たちが集まって,知恵を出し合いながら,現役時代のビジネス感覚も生かしつつ社会貢献できるのがNPOである。

 今回は,リタイア世代の多彩な能力をもう一度社会に還元しよう,何より自ら楽しもうと考えた人たちが中心となって設立,今では450人近い会員を抱えるまでになったNPO法人「シニア大楽」の活動を紹介する。

自分の体験が活動の原点

 「飛行機のおもしろい話と楽しい英語の絵本」,「おいしく食べて,楽しく動こう」,「私の英語格闘史」…。これは,NPO法人シニア大楽に所属する講師の講演タイトルである。

 講師リストには,元フライトアテンダント,保健所栄養士,海外赴任を経験したビジネスマンなどなど,多彩な顔ぶれが並ぶ。それぞれの実体験から語られる話は大変好評で,中には拍手が鳴り止まない会場もあるという。

 「プロ並み,なかにはプロそのものの会員もいますからね」と語るのは,シニア大楽の副理事長である藤井敬三(65歳)さんだ。シニア大楽は,2003年に藤井さんをはじめとして,10人ほどの仲間が立ち上げたNPO法人である。大手広告代理店に勤務し,マーケティングを十分知り尽くした藤井さんは,定年後,シニアアドバイザーの資格を取った際に知り合った仲間と,こんな話題で盛り上がった。

 「あと数年後には団塊世代が定年を迎える。ずっと日本の成長や消費を引っ張ってきた世代は,定年になってもおとなしくしているはずがない。これからの日本はシニアの力を無視することはできない。今後シニアが活躍する場が多くなるだろう。ならば,いち早く,シニア世代が活躍できる場を作っておこう!」。

シニア世代の力をNPOに結集,講師派遣で大成功<その1>

 とは言え,何が出来るのか。「私たちは日本を成長させてきた時代の一員ですから,それは様々な経験をしています。その経験を講座で語れば,聞きたい人は大勢いるのではないか。そこで,まず講師を派遣する活動を考えたんです」。

 たとえば,会社で研修を担当してきた人ならば,企業の研修担当者に向けた話ができるし,金融関係の人ならば定年後の年金についての話ができる。それぞれの得意分野を持ち寄れば,たちまち多彩な講座が組めるはずだ。これが,シニア大楽の柱の一つ,講師派遣事業となった。

 しかし,講師ができるような人はそんなにいるのだろうか。ところが,ザクザクいたのである。シニア講師派遣というユニークな活動が新聞社の目に止まり,記事になった直後から講師希望者が激増した。まだ2年目なのに,450名を数えるまでに急成長。まだまだ増える傾向にあるという。

 「いやあ,驚きましたよ。こんなに話をしたい人,自分の経験を活かしたい人がたくさんいるんだなあと。しかも,登録にあたって書いていただくフォームや小論文を拝見すると,実に素晴らしい経験や話題を持っている方ばかりなんですよ」。

 粒ぞろいの講師が揃うや,仕事確保のための活動も積極的に始めた。講師のプロフィール付きリストを作成し,全国の公民館などの公共施設やライオンズクラブ,企業などへ送ったのだ。公開講座や社内研修などの担当者は常に「誰かいい話をしてくれる人がいないか」と悩んでいる。これが当たった。徐々に問い合わせが寄せられるようになった。

シニア世代の力をNPOに結集,講師派遣で大成功<その1>

 「今まで230件ほどの依頼があり,多くの講師を派遣しましたが,クレームはゼロです。むしろ,担当者から感謝の言葉や礼状をいただくほど」。人気講師も誕生した。「公民館の担当者は横のネットワークもあるようで,1回好評だと別のところから『あの方をお願いします』とリクエストが来るんですね」。

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