A氏: 私は55歳から定年で辞めた後、どうするかということを考えていました。で、57歳でFPという仕事をしようと決めたときに、なぜ、60歳まで待つ必要があるのかと考えたんです。57歳で役職定年もあるし、一番経験が溜まっている時なのに、経験を生かす場所が会社にはなくなる。あと3年間働いて、自分にプラスになる経験があるかと考えました。これからは自分が溜めたものを出すだけで、得るものがない。今が潮時だと思いました。 D氏: 私も今、似た感覚があります。自分に10の力があったとすると、会社が自分に求めるものは1か2なんです。逆にいうと、8は温存できる。“ああ、そういうことか”と達観しました。じゃあ、会社の仕事は2で済ませて、残りは自分で使えばいいと。もちろん、会社の仕事は100%やっているわけです。手は抜きません。 ただ、今すぐに会社を辞めるという選択はないんです。今の時点ではまだ得ではないと。しかし、そういう時期が来たら、喜んで辞めようと思っています。今は、その8割を使って、しっかり準備をさせてもらおうと。忙しい部署にいたら難しいですが、今は次につながる活動もできます。 A氏: 役職定年って、悪くないですよ。たいていの人は、肩書きを取られてがっかりしますが、逆に、自分のことをする時間ができたということですよね。気持ちは分からなくはないけど。自分の余力を生かして、定年後の次の準備をする時間がえられたと、超ポジティブに思えばいいんです。実際は、結構、ふてくされる人が多いですよ。そこを切り替えられずに、ずっと愚痴を言いながら、定年まで行ってしまう恐れがある。 B氏: 私は、あの事業を俺にやらせれば、もっとうまくやったのにというものはあります。じゃあ、お前が担当していた事業は、本当に成功しているのかのかと言われれば、難しいのですが。会社というところは与えられた仕事をこなすところ。自分で仕事をセレクトしてできるわけではないので、難しいですね。与えられたものは、もちろん一生懸命やるわけですけれども。 ◇ ◇ ◇ 次回は、さらに仕事への思い、家族のこと、将来の展望などを話し合ってもらう。 (松本すみ子=アリア/シニアライフアドバイザー)
筆者プロフィール
松本すみ子(まつもと・すみこ) 早稲田大学第一文学部東洋史学科卒業。 IT業界で20数年、広報、販促、マーケティングを担当。 2000年、団塊/シニア世代の動向研究とライフスタイルの提案、コンサルティング、執筆などを主要な事業とする有限会社アリアを設立。2002年9月、シニア世代の仲間づくり・活躍の場づくりの会「おとなのオピニオンコミュニティRyoma21」を主宰。2007年、NPO法人シニアわーくすRyoma21となる。日経BP社の情報サイトnikkeiBPnetにて「団塊消費動向研究所」を連載中。著書に、「そうだったのか!団塊マーケット」、「心理系の仕事を見つける本」などがある。
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