ここから本文です

定年後の働き方を考える<その8>~シニアコミュニティが仕事探しの場になる~

団塊世代の取り込みに仕事紹介は不可欠

 こうした取り組みを始めたシニアコミュニティはもうひとつある。名古屋にある「悠友知摘」はシニア世代に、家庭や職場以外の第3の場所を提供するとして始めたシニアサロンだ。運営しているのは、主に、若者向けに自動車関連雑誌の発行やカルチャーレジャーなどを提供しているプロトコーポレーション。

 最初は、今までのノウハウを生かして、シニア世代に集まる場を提供し、そこから趣味や学びのサークルが生まれることで、多くのシニア世代が集うサロンとなることを期待していた。しかし、昨年あたりから、少し方向転換。ここでの活動は「仕事」つながるという面を強化してアピールしている。サロンの壁には、求人情報が貼り付けてあり、派遣先や転職先の紹介から、起業の支援まで始めた。

 シニアのコミュニティといえば、今までは“第2の人生の楽しみ方を探りましょう”とばかりに、趣味や旅行やグルメ情報などを提供し、サークルを作って活動する場を提供するというスタイルのものが多かった。コミュニティ運営側にすれば、有望なシニア市場の動きをつかみ、そこからビジネスの芽を拾うこと、会員活動の実績で、さらに会員を増やし、企業に対してシニア市場への参入時の市場調査やアドバイス・情報提供ができるという目論見があった。

 しかし、いまや、それだけではシニアコミュニティは立ち行かなくなっている。働く意欲が高い団塊世代を引き寄せることができないのだ。団塊世代はまだまだ枯れていない。実のある活動がない限り、会員を集めることは難しいということだ。多くのシニアのコミュニティが、今後、こうした転換を余儀なくさせられるだろう。それは、仕事の発掘にもつながるのではないだろうか。


(松本すみ子=アリア/シニアライフアドバイザー)
筆者プロフィール

松本すみ子(まつもと・すみこ)
早稲田大学第一文学部東洋史学科卒業。
IT業界で20数年、広報、販促、マーケティングを担当。
2000年、団塊/シニア世代の動向研究とライフスタイルの提案、コンサルティング、執筆などを主要な事業とする有限会社アリアを設立。2002年9月、シニア世代の仲間づくり・活躍の場づくりの会「おとなのオピニオンコミュニティRyoma21」を主宰。2007年、NPO法人シニアわーくすRyoma21となる。日経BP社の情報サイトnikkeiBPnetにて「団塊消費動向研究所」を連載中。著書に、「そうだったのか!団塊マーケット」、「心理系の仕事を見つける本」などがある。
前のページへ 1ページへ 2ページへ 3ページへ 4ページ
この記事のバックナンバーを読む
「セカンドステージ マガジン」 配信開始
セカンドステージでは,HTMLメール「セカンドステージ マガジン」の配信を始めました。毎週1回水曜日に配信いたします。
サイト上の更新情報やイベント,セミナーの情報をお送りするとともにメールならではの特典,イベントの提供をいたしていく予定です。
メール配信をご希望の方はこちらのページからで配信登録をお願いします。

→バックナンバーはこちら

セカンドステージ メールマガジン
サイトマップを見る
セカンドステージ連載一覧


日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る