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定年後の働き方を考える<その7>~早く退職準備を始めた人は就労率が高い~

定年前の2・3年が勝負

 このシリーズのその2で紹介した退職後の生活に関する意識調査「AXAリタイアメントスコープ」では、いつから定年後の準備を始めたかというデータもまとめている。

 それによれば、日本人が退職後の準備を始めるのは、将来に悲観的な割には、他国に比べて非常に遅い。引き続き働きたいと思っていながら、あまり準備もせずに、うまく再雇用してもらって、待遇も給与も今までのとおりで働きたいというのは、やはり虫がいいと言うべきだろう。

 以前、「定年が近づくと、役職もはずれるので、もう先が見えたとばかりに、やる気を失うか、死んだふりをする人も多い。しかし、自分の経験からいえば、退職前の2・3年間にどれだけ頑張ったかが、その後の人生を左右する」と語ってくれた人がいた。

 まさに、そのとおりで、頑張っている人にはお声もかかろうというものだ。当然だが、それを制度化する企業も出てきた。『日経ビジネス』6月30日号「老活経営」には、百貨店の高島屋での再雇用の取り組みが紹介されている。

 高島屋では定年前の58歳と59歳の2回の人事評価によって、採用の可否を決めるという。その2回とも、評価基準をクリアしなければ再雇用はされない。対象者には、上司が「今が頑張りどころ」と奮起を促すそうだ。

 ただ、先に紹介した「働いているうちに退職後の準備を始める日本人」というデータは2004年は12%だったが、2007年には39%と急激に増加した(「AXAリタイアメントスコープ」調査)。退職者してから考え始めた人に比べて、早くから退職後の準備を始めた人のほうが就労率は高いということも分かった。みな、少しずつ気づき始めている。

 高島屋のような取り組みは、雇用される側だけでなく、「法律ができたので、仕方なく再雇用しているだけ」と、明確な基準や活用法を考えていない会社にもいい刺激を与える。結果として、社員もモチベーションが上がり、企業の活性化にもつながるだろう。

 次回は、企業が求める人材とそれへ準備、再雇用後の人事評価制度について調べてみよう。


(松本すみ子=アリア/シニアライフアドバイザー)
筆者プロフィール

松本すみ子(まつもと・すみこ)
早稲田大学第一文学部東洋史学科卒業。
IT業界で20数年、広報、販促、マーケティングを担当。
2000年、団塊/シニア世代の動向研究とライフスタイルの提案、コンサルティング、執筆などを主要な事業とする有限会社アリアを設立。2002年9月、シニア世代の仲間づくり・活躍の場づくりの会「おとなのオピニオンコミュニティRyoma21」を主宰。2007年、NPO法人シニアわーくすRyoma21となる。日経BP社の情報サイトnikkeiBPnetにて「団塊消費動向研究所」を連載中。著書に、「そうだったのか!団塊マーケット」、「心理系の仕事を見つける本」などがある。
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