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充実生活見つけた
退職後に選んだ里山での暮らし<その1>~自給自足、地域に寄り添う生活へ~
2008/11/17
美里の秋。集落を囲む紅葉が美しい。

 ある研究者が2年前、退職と同時に里に入った。その人、高野肇さん(62歳)は、家族と共に新天地・長野県長野市鬼無里地区へ移住した。再就職はせず、農作業と地域づくりに尽力する毎日だ。研究対象を通して地域のあり方を考えてしまうタイプの研究者だった高野さん。今では、そのスタイルで鬼無里の人たちにも大きな影響を与えている。

絶滅危惧種の鳥に取り組んだ現役時代

 アカガシラカラスバトという鳥がいる。全長40センチ、450グラムというカラスバトの仲間だが、小笠原諸島と硫黄列島にしか生息していない。その数、わずか40数羽とも言われ、レッドデータブックでは絶滅危惧IB類(EN)=近い将来における絶滅の危険性が高い種として記載されている。この鳥の存在は、数年前まではあまり知られていなかった。写真を見せられて「こんな鳥、小笠原にいるの?」と、当の住民から聞かれるほどだった。

 絶滅への段階の中に、「土地の人々がその生きもののことを話題にしなくなる」という過程がある。人々の暮らしの近くにいれば、たとえば「××が鳴きだしたからそろそろ秋だ」などと話題になるはずが、話題にならなくなるということは、それだけ姿が見えなくなっている証拠なのである。

 しかし、現在は、その危機的状況がかなり知られるようになり、林野庁、環境省など国、東京都、村そして各研究機関が保護に関する事業や調査を行うようになった。依然、絶滅の危機は去ってはいないが、この鳥に対策が取られるようになった陰には、高野さんの尽力があった。

枝豆、鍋の白菜、しいたけ、豆腐、煮物の野菜、ピーマンの炒め物。すべて、自分たちの手によるもの。

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