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充実生活見つけた
観光人力車のパイオニア、鎌倉の町を走る<その1>~“ひとりでできる仕事”をはじめて25年~
2008/10/06

 派閥抗争に巻き込まれたとき、仕事がうまくいかなくなったとき、人はどんな身の振り方をするだろう。会社に残って実力を評価されないよりは、自分の力を全力で発揮できる仕事をしたい。青木登さん(60歳)は、自分ひとりの力でできる仕事をしたいと強く思った。

 試行錯誤の結果、青木さんが見つけたのは「観光人力車」だった。それは体力だけでなく、知識やホスピタリティも求められ、地域に密着した仕事だ。そして、青木さんにぴったりの仕事だった。

鎌倉の観光地・名所は顔パス
観光人力車のパイオニア「有風亭」の青木登さん

 武家政権誕生の地として知られる古都鎌倉に、この観光人力車のパイオニアがいる。青木登さんだ。日本全国に数百人ともいわれる人力車の俥夫の中で、最も長いキャリアを持つのがこの青木さんだ。

 青木さんと待ち合わせしたのは、北鎌倉の古刹、円覚寺の山門前。日差しに照らされて白く輝く石段の前に、黒塗りの人力車がよく映えて、すぐに青木さんを見つけた。「実は、ここもお寺の境内です。いくつかある人力車業者の中でも、ここで客待ちができるのは私の“有風亭”だけです」と、青木さんは控えめながらも胸を張る。

 「人力車をはじめて、今年で25年になりました」と微笑む青木さんは、決して大きな体格ではない。けれど引き締まった体つきと日に焼けた血色のよい面差しに、長年刻み込まれた経験が滲み出ているようでもある。

 鎌倉の有名寺社は顔パス、ガイドブックを賑わす人気の飲食店やカフェもほとんどが顔なじみという青木さんだが、25年かけて築いた信頼の影には、人知れぬ苦悩と心血を注ぐ努力があった。


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