男のダンディズムを追求する都会のホテル
松本清張と対照的な作家といえば,池波正太郎ではなかろうか。江戸っ子気質でうまいものが好き。誰が使ったかわからない旅館の掛け布団を使うよりは,毎日ベッドメイキングされるホテルが好き。そんな池波正太郎が愛したのが東京神田駿河台の「山の上ホテル」だ。 まとまった仕事を片付ける時や数日の骨休めによく利用したという。 ホテルの建物は昭和12(1937)年築。アール・デコを基調とした優雅な姿と眺望のよさから,「ヒルトップ」と呼ばれてきた東京の隠れ家ホテルだ。池波は畳の上にベッドという和室風客室を愛し,座卓を持ち込んで絵を描いたりして過ごした。今もロビーには,池波の絵が飾られている。
また,ホテル内のレストラン「てんぷら山の上」やバーにもよく通ったという。このあたりのことは『池波正太郎の銀座日記』に詳しい。ホテルでは一人で利用できる「作家たちの宿泊プラン」も用意している。神田の古書店街をぶらり散策しながら,都会の中で過ごす一人旅を満喫してみるのもいいだろう。 宿はさまざまテーマを持っている。自分の嗜好や趣味にあった宿を見つけて,一人旅の楽しみとしてもらえると嬉しい。 (本多美也子=フリーライター)
筆者プロフィール 本多美也子(ほんだ・みやこ) 就職情報誌では150を超えるさまざまな職業の人にインタビュー。大人向け旅行誌では中高年向けの癒される穴場や温泉記事を数多く執筆。シニアガイドと共にお寺や和文化をめぐる仕事も多く,地方の伝統産業,特産品について詳しい。 プロデューサ紹介
松本すみ子(まつもと・すみこ) 早稲田大学第一文学部東洋史学科卒業。 IT業界で20数年,広報,販促,マーケティングを担当。職場での心のケアに関心が向き,産業カウンセラー資格を取得。これを機に,シニア世代の動向に注目。シニアライフアドバイザー資格を取得し,2000年,団塊/シニア世代の動向研究とライフスタイル提案,コンサルティング,執筆などを主要な事業とする有限会社アリアを設立。2002年9月,シニア世代の仲間づくり・活躍の場づくりの会「おとなのオピニオンコミュニティRyoma21」を主宰。2004年,NPO法人おとなの暮らしと仕事研究所となる。日経BP社の情報サイトnikkeibp.jpにて「団塊消費動向研究所」を連載中。著書に,「自分分析!つまらない毎日なら『好きな』ことで独立しよう」,「心理系の仕事を見つける本」などがある。
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