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男の一人旅事始め<その3>〜同志に出会えるマニアが集う宿〜

お遍路の前に,仏教への入口「宿坊」に泊まる
高野山奥の院

 最近,リタイア世代に人気なのが巡礼の旅だ。四国八十八カ所や西国三十三カ所などを,遍路姿で歩くことで,自分の来た道,行く末を見つめようというものだ。とはいえ,一度巡礼に出るとなると,時間も費用も体力も,それなりに覚悟しなければならない。そこで,巡礼に出る前に,そもそも仏教とは何なのか。お寺とはどんな場所なのか。それを知ってみてはいかがだろう。

 一人旅に出たいという動機も,自分を解放するということだけでなく,自分がどれほどの人間なのか見つめたいという思いもあるのではないか。であれば,まずは寺に泊まってみることをおすすめする。寺には「宿坊」というものがある。京都や奈良の寺院をはじめ,全国各地の寺院で,宿泊と食事を提供している。

 宿坊は,主に,宗派の本山といわれる寺に多く,たとえば和歌山県の高野山金剛峰寺には53の宿坊,山梨県の身延山久遠寺は39の宿坊がある。これらは本山での修行の場,また信者の参詣のための宿泊所を目的としている。そのほか,地方の小さな寺が営む宿坊もあり,それぞれ座禅や写経,法話にお勤めへの参加,地元食材を使った精進料理を食べさせるなど,個性豊かだ。

善光寺淵之坊精進料理

 寺院は,昔はその地域の精神的な中心であり,長い歴史を持っている。宗教に触れるだけでなく,歴史探訪として触れてみるのもいいだろう。宿坊宿泊者は若い人や一人旅が多い。寺の僧侶との交流も日常では味わえないものだ。一人旅とはいえ,人や仏との対話を体験できるはずだ。


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