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充実生活見つけた
陶芸は,なくてはならない心の支え<その2> ~自然体の作り手から生まれる自然派の作品~
2006/09/11

 大手私鉄会社を定年退職後,陶芸教室に通い始めて5年になる前田晃男さん(65歳)。前回は,自宅で父親を介護しながら教室に通う日々を紹介した。悠々自適とは程遠い生活だが,ここで過ごす時間は,前田さんが精神的バランスを保つためになくてはならないものになっている。

 その手から生まれるたくさんの陶器。中でも目を引くのは,丸くて大きめの取っ手がついた器だ。なぜ取っ手が丸いのか?それは,力の弱い人でも持ちやすいように――。やはり,作品は生活の中から生まれてくるもののようだ。

介護の経験から発想した“丸い取っ手”

 土の塊が,ろくろの上で大きなマッシュルームの頭のような,カブのような,丸っこい形に削りあがった。「これは焼酎サーバーの取っ手の部分です」。“丸い取っ手”は,前田さんが考案したオリジナルで,作品の特徴ともなっている。

 コーヒーカップ,ビアマグ,茶道の水差し,土鍋など,手で持ち上げて使う器の類には,たいてい丸い取っ手が一つか二つ,ぴょこんと飛び出しているのだ。「指をかけるタイプの普通の取っ手は,年寄りや子供には扱いにくいんです。こういう丸い形だと,手のひら全体で握ることができるので,力の弱い人にも持ちやすいんですよ」。

 握ってみると,大きさや形状が手のひらの丸みにぴったり合い,少々重たい器でも持ち上げたときに安定感がある。この取っ手なら,生ビールをなみなみと注がれた大ジョッキでも楽々持ち上げられて,グイグイ飲めるにちがいない。

 機能的なだけでなく,丸っこい形がなんとも愛嬌たっぷりで,眺めているだけでクスリと笑ってしまうような温かみがある。介護に多くの時間を割いている前田さんならではのデザインだ。

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